「団塊ジュニア」の世代は、「第三次ベビーブーム」を引き起こさなかった。なぜなら、雇用の非正規化等により窮乏化し、子どもをもつどころではなくなったからだ。その世代以降も同じだ。
少なくしか生まれなかった子どもたちも、生活困窮世帯で育つ子どもたちが増えていった。本書で取材の俎上にのぼった子どもたちは、けなげに、親子、きょうだいで助け合いながら生きており、まだ、救いようがある。
貧困に加えて、虐待、ネグレクト、あるいはいじめを受け、高校を中退し、家出をし、ホームレス生活、売春、薬物依存に陥る子どもたちのことを思うと、本書に登場する子どもたちにはまだ希望がある。もちろん、「高校生ワーキングプア」の窮状を放置してよいとは思わないが。
目次
序章 働かなければ学べない
第1章 家計のために働く高校生たち
第2章 奨学金という“借金”を背負って進学する高校生たち
第3章 アルバイトで家計を支える高校生たち
第4章 「子どもの貧困」最前線を追う
第5章 「見えない貧困」を可視化する
日本の子どもの「7人に1人」が「貧困状態」。学費だけでなく、生活費を稼ぐ必要からダブルワークは当たり前。もらいものに囲まれた家では、きょうだいの世話と家事全般をこなす。成績優秀でも、学費が賄えず、奨学金に加え他の債務を背負う可能性も…。最新ファッションにスマートフォンを持ち、一見すると、“普通”の彼らが直面する「見えない貧困」の実態を炙り出す。
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