「家事手伝い」や「専業主婦」という役割がいまだに通用するなか、男性のひきこもりばかりが注目され、女性のそれには関心が向けられることはなかった。
性暴力被害による対人恐怖は、女性の方に圧倒的に多くみられるわけであるから、親や配偶者に扶養されながら「ひきこもる」女性は、相当数いるものと推測できる。
叙述に雑なところが散見されるのが気になったが、ひきこもり女性当事者を取材し、その苦しみを明らかにした意義は大きい。
ひきこもり問題を追い続けてきた著者が実感した、危機的な日本の大問題。統計から消され、「弱者」にすらなれない―深刻化する「見えない」女性の実態。今まで誰も指摘しなかった、潜在する「女性」のひきこもり。
ひきこもるのは男だけじゃない。
社会に消された、ひきこもる女性たちのリアル
日本の大問題として根付き、一向に解決の糸口が見えない「ひきこもり」問題。
2010年に内閣府が発表した「ひきこもり実態調査」では、その調査における「ひきこもり」の定義に該当する約70万人のうち男性と女性の比率が7:3だったということから、男性が圧倒的な数に上る。
けれども、その裏で肩身の狭い思いをし、声を上げたくても上げることのできない女性たちが数多くいることを知っているだろうか。
その中には、そもそも社会から「ひきこもり」と認知されていない人々もいるのだ。
◆そもそも彼女たちは、なぜひきこもるようになってしまったのか?
◆なぜ、その姿が見えてこなかったのか?
◆「ひきこもる」好意の裏に隠された真実とは?
◆男性の「ひきこもり」とは何が違うのか?
◆「ひきこもる」主婦?
◆新たに動き始めた女性当事者たち
◆彼女たちに必要な支援とは? etc……
世間の固定観念によって、社会的に存在が消された彼女たちが抱えている問題点を可視化し、当事者、親、支援者、社会がそれぞれ養うべき視点を提示する。
――約18年「ひきこもり」問題を追い続けてきたジャーナリストが初めて社会に問う、日本の危機的問題がここに――。
≪目次≫
はじめに
第1章 ひきこもるのは男だけじゃない
第2章 彼女たちがひきこもる理由
第3章 主婦は「ひきこもり」ではない?
第4章 彼女たちに必要なもの
第5章 社会とつながるために
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