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本と音楽とねこと

Kate Bush,"Aerial"

 Kate Bush、12年ぶりのニュー・アルバムは、2枚組の大作だ。平凡な日常の幸せに包まれた穏やかな曲調が続く前編も良いが、呪文のような言葉と小鳥のさえずりを繰り返し挿入しながら、最後の"Aerial"まで徐々にテンションが高まっていく後編が圧巻。出産、子育てを経て、12年もあたためてきた曲集だけあって、完成度は高いし、きっちり計算しつくした構成もお見事。
 ケイト・ブッシュが、16歳の時にデヴィッド・ギルモアにその才能を見いだされ、"The Kick Inside"で衝撃のデビューを果たして、すでに27年。"The Kick Inside"があまりに濃密な作品だったこともあり、その後も佳作はリリースしながらも、わたしも含めてデビュー時のような感動を受けることはなく、長らく忘れられた存在になってしまっていたように思う。
 そして、長い長い沈黙を経て、この大作がリリースされた。待たされた時間を取り戻すには、十分な内容の作品だと思う。

Track List
Disc 1
1. King of the Mountain
2. Pi
3. Bertie
4. Mrs. Bartolozzi
5. How to Be Invisible
6. Joanni
7. A Coral Room
Disc: 2
1. Prelude
2. Prologue
3. An Architect's Dream
4. Painter's Link
5. Sunset
6. Aerial Tal
7. Somewhere in Between
8. Nocturn
9. Aerial


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コメント一覧

トラバありがとうございます
実は、まだ"Aerial"もハード・ディスクに入れたままなんで、冬休み中にCDに焼いて、あらためて聴いてみます。
hide3190ymo
こんにちは。
http://hide3190ym.exblog.jp/
HIDEと申します。KATE BUSHの歌声は澄んでいて実にいいですよね。TBさせていただきました。
ケイト・ブッシュの前衛性
 ケイト・ブッシュの音楽には、ジャンル分け不可能な独特の個性がありますよね。わたしは、プログレッシヴ・ロックに直接連なる特徴はないのではないかと思いますが、ピーター・ゲイブリエル(元ジェネシス)やロバート・ワイアット(元ソフト・マシーン)に一脈通じる音楽性は感じます。いずれにしても、この二人がプログレッシヴ・ロックの古くささをきっぱり払拭してソロ活動を展開してきたのと同様の前衛性を、ケイト・ブッシュの音楽に感じます。ドビュッシーやラヴェルの曲調を想起したとのご指摘には同感です。演劇が好きな人にはたまらないアルバムでしょうね。
コンニャクOK!
はじめまして
http://blog.goo.ne.jp/konnyakuok/
TB⇒TB ありがとうございます。

ラジオで流れたKing of the Mountain にアフリカンポップの香りを感じアルバムを購入しましたが、全体を通して聴くとアフリカンのイメージは薄く、むしろ根底にあるのはロックという印象を受けました。ケイト・ブッシュがこの世界に入るきっかけがピンクフロイドのデヴィッド・ギルモアだったと書かれていますが、そのときの精神がベースにありプログレッシブロックが現代に適合するよう姿をかえて蘇ったといえるのでは。聴いていると癒しを覚えるのはポップになり過ぎていないからでしょう。
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