『オニババ化する女たち-女性の身体性を取り戻す』は、おもしろかったし、本書の内容にも共感するところもあったが、この反動的な物言いには、やはりひっかかってしまう。
三砂さんが主張してきたことは、とても大切なことだ。女性が(男性もだと思うが)自らの身体を大切にし、その特性を抑圧せずに存分に生かして幸せに生きよう、この主張に反対する理由などない。
しかし、編集者の勇み足でつけた副題だとは思うが、いまどき母性は「本能」だとする感覚が理解できないし、自らの身体性を拠り所とする言説が、きわめて反動的なものに転化しかねない危険性にはじゅうぶん留意したいところだ。
それから、夫婦は、死ぬまでセックスするかそれができなくても身体を触れ合い一緒のベッドに寝るべきだとか、勘弁してよ。気持ち悪い。
『オニババ化する女たち』から8年、不機嫌な夫婦が増えている。男女ともに駆り立てられるように働き、セックスする余裕もないほど疲れて、ギスギスする家庭。草食男子も晩婚・非婚の流れも、全ては家庭の問題に直結している。本当に幸せな生活とは何かを鋭く問う。
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