少し考えてみればわかることだが、株価が延々と上昇し続けるものでない限り、売買のタイミングで利益が上がることもあれば損をすることもあるのは当たり前である。なまじ、にわか投資家が損切りもせずに短期のリターンを狙い続けたら、かなり高い確率でやけどするだけだろう。恒常的に利益を出せるのは、プロ並みの情報収集・分析力をもったトレーダーだけだ。あとは、せっかく貯めた自己資金をすってしまうか、あきらめきれずに借金までして追い金を調達し信用取引を繰り返して自己破産への道をまっしぐら~、まあそんなところだろう。間違いなくウハウハもうかり続けるのは、楽天証券をはじめとして、浅はかな庶民に濡れ手に粟の幻想を振りまき、売買手数料で利ざやを稼ぐオンライン証券会社だけだ。
それにオンライントレードで仮に食っていけるとしても、だ。一日中、銭儲けのためだけにパソにはり付くような所業は自分にはできない。いやだいやだと言いながら、愛すべき学生諸氏相手に授業ができなくなったら、間違いなく生きがいの半分はなくしてしまうだろうし、なにかしらささやかでも他者のためになることができたという実感がずっと得られなければ、もともと鬱気質のわたしは、自殺してしまうかもしれない。
わたしは、自分がその社会的価値を認めている企業の株式だけを毎日ごくわずかの時間を割いて慎重に運用するつもりなんだが、売買手数料と所得税・住民税を引かれた収益がごくわずかでも出れば御の字というところだろう。いや、慎重に運用しても、多少はやけどしてしまう確率の方が高いとみる。その行為から運用益以外のなんの価値も生まない経済活動など仕事とはいえない。失敗して、そのことを学生諸氏に伝えられるだけでも、楽天証券の3ヶ月売買手数料期間にイタイ思いをするのも悪くはない。
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