
増加する生活被保護世帯の大部分が高齢者のみのそれであることは周知のことではあるが、貧困線(厚労省の2015年公表値で単身者世帯が122万円、2人世帯が173万円)未満の所得しかないにもかかわらず、推測で、8割以上の高齢者が生活保護を利用していない現実がある。
やはりいちばん大きいのは、生活保護利用がいまだスティグマとしてとらえられている点にあるが、コロナウィルス禍で保護を申請しない生活困窮者が増加し続けていくと、多くの人々が餓死する事態さえ懸念される。
本書をとおして、生活困窮高齢者が直面する過酷な現実にも、目を向けたいものだ。
目次
序章 「老後破産」の現実
第1章 都市部で急増する独居高齢者の「老後破産」
第2章 夢を持てなくなった高齢者たち
第3章 なぜ「老後破産」に陥るのか―社会保障制度の落とし穴
第4章 地方では見えにくい「老後破産」
第5章 急増する「老後破産」予備軍
終章 拡大再生産される「老後破産」
「預金が尽きる前に、死んでしまいたい」「こんなはずじゃなかった…」年金だけでは暮らせない。金が無いので病院にも行けない。食費は1日100円…。ごく普通の人生を送り、ある程度の預貯金もある。それでも、病気や怪我などの些細なきっかけで、老後の生活は崩壊してしまう。超高齢化社会を迎えた日本で、急増する「老後破産」の過酷な現実を、克明に描いた衝撃のノンフィクション。
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