河北新報社編集局,2012,再び、立ち上がる!──河北新報社、東日本大震災の記録,筑摩書房.(3.11.25)
あの日、一瞬にして街が消えた。そして大切な人が…自らも被災した河北新報社は、その直後から各地を丹念に取材し、被災した人々を励まし続けた。300日間の苦闘を描く、魂のドキュメント。
東日本大震災から14年。
14年前のあの日は、職場の送別会にあたっており、会場にてスマホで刻一刻と伝わってくる惨状に戦慄していたことを思い出す。
その後、原発が爆発し、大津波が街を破壊する動画が次々に公開され、被災者でもないのに極度の鬱状態に陥り、体重が5キロ減った。
震災関連本にはできるだけ目を通すことにしていたが、いま読みそこねていた本書を通読し、南海トラフが遠くない将来に動く可能性が高まっているなか、執念深い取材にもとづく震災の記録には大きな価値があるように思った。
目次
第1章 その時、何が
奇跡の避難、在校の子ら犠牲ゼロ
悲劇の防災庁舎でシャッター ほか
第2章 その命を
防災無線で避難を呼び掛け、職責を全う
公立志津川病院、壮絶な救出活動 ほか
第3章 逃げる、その時
証言で振り返る、あの時の野蒜小
車の避難で大渋滞、悲劇を拡大 ほか
第4章 それでも、前へ
悲しみを抑え、長男を捜す
被災者同士、避難所で支え合う ほか