町田康,2003,へらへらぼっちゃん,講談社.(3.8.25)
三年間、なにもしないで時代劇ばかりみていた。テレビの中では毎日のように悪人が誅せられ、善人が希望に満ちて旅立っていく。進展しないのはわたしだけ。ただただ、朝が来て昼が来て夜が来て、喰らい酔って眠りこけていたのである―。町田康にかかれば、日本語はこんなにおもしろい。瞠目のエッセー集。
町田康、町田町蔵時代のエッセイ集。
パンク歌手から小説家へ、その端境期にあった町田さん、その現在にも引き継がれている、酩酊しながら書いているとしか思えない文章のセンスがひかる。
INU " つるつるの壺 "
言葉を思い浮かべ、選び、組み合わせていく、その抜群のセンスは、パンクス時代からいかんなく発揮されていたのであった。
【前編】小説家・町田康に聞く、学校では教えてくれない詩の読みかた(中原中也編)【ゲスト:町田康先生(小説創作)】# 6
すっかり年老いた町田さん(ってわたしもだけど)、大学の教員になってたんだね。
目次
どうにかなる日々(旅人・遊び人;自分の触覚で歌い書く ほか)
よのなかの道(成増、菅原神社裏。;大阪のにおい ほか)
ああなんたるいたちごっこ!(空想の手紙・ベルさま;また誰も来ねえ ほか)
一膳飯屋とフランス飯屋(無頼のほうへ―織田作之助『世相』『子守歌』『六白金星』;尾崎放哉のビート感覚 ほか)