とても丹念に取材を重ねて編まれた貴重な記録はあるが、番組放映時の感想(無縁社会は怖くない)以上のものはわいてこなかった。
生活困窮者への公的援助はもちろん必要ではあるけれども、わたしたちは「無縁」であることを自ら望みそれによる自由を謳歌してきたのではなかったか。
他者と濃密につながりたい人はそうすればよい。しかし、わたしは、濃密に連帯しあう家族・親族、地域社会、職場集団、友人・知人、国民社会などまっぴらごめんだ。
目次
"ひとりぼっち"が増え続ける日本
第一章 追跡「行旅死亡人」----わずか数行まとめられた人生
コラム 静かに広がる「直葬」
第二章 薄れる家族の絆----「引き取り拒否」の遺体の行方
第三章 単身化の時代----「生涯未婚」の急増
コラム 呼び寄せ高齢者
第四章 社縁が切れた後に----疑似家族に頼る人々
第五章 "おひとりさま"の女性たち----疑似家族に頼る人々
コラム 共同墓
第六章 若い世代に広がる「無縁死」の恐怖----ツイッターでつぶやく将来の不安
コラム 働き盛りの"ひきこもり"
第七章 絆を取り戻すために----二度の人生を生きた男
2010年1月に放送されて大反響を呼び、菊池寛賞を受賞したNHKスペシャルの書籍化です。身元不明として官報に「行旅死亡人」と告知された男の意外な人生、家族に引き取り拒否された遺体の行方、孤独死の現場を整理する「特殊清掃業者」など、急増する無縁死の周辺で起きている衝撃の事実を丹念に取材。家族や地域の絆が崩壊しつつある現代社会へ警鐘を鳴らします。
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