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「フィンランドの出生率1.26へ激減」子育て支援では子どもは生まれなくなった大きな潮目の変化

「フィンランドの出生率1.26へ激減」子育て支援では子どもは生まれなくなった大きな潮目の変化

 これを読んで、『子どもが減って何が悪いか!』の著者やその賛同者は、したり顔をするんだろうが、それはちょっとちがうと思うよ?

 世界各国の株式市場は、ブル相場、つまり青天井で上がっていく株価に沸き、だけど、カネは一部の富裕層にますます集中し、中流階層は、ほぼほぼ壊滅してしまった。

 そんななか、自らの生活で、いっぱいいっぱいという人が急増し、とても子どもをもつどころではない、というネオリベ社会のクソな状況がある、というのは別にしても、だね、

 ベネターの『生まれてこない方が良かった』や、李琴峰さんの『生を祝う』に代表されるような、反出生主義の考え方なり感性なりが、世界規模で広がっているのもある、と思う。

 また、それと関連して、ディープ・エコロジーのような、過激な反人間中心主義が拡散、定着してきたのもある、よね。

 ペギー・オドネル・ヘフィントンの『それでも母親になるべきですか』のように、世界中の女が、母となること、子どもを産み育てる経験をする人生を、懐疑するようになった、というのは正確ではないかな、これまでも少なからぬ女性はそう思ってきたんだよ、でもね、それがなかなか言えなかった、言えなかったのが、言えるようになった、ということもある。

 噴出し続ける性加害の問題ともども、大きな地殻変動が起こっていること、それを感じるよ。

 それから、フィンランドのおかれた地政学的条件もあるように思う。ウクライナ紛争の影響だね。

 冬戦争(第1次ソ連・フィンランド戦争)、 第2次ソ連・フィンランド戦争以来、フィンランドにとって、かつてのソ連、現在のロシアは、ずっと脅威だった。

 それが、今回のウクライナ紛争だろ。

 フィンランドの女性にとって、いくらNATOがバックについてるとはいえど、とてもとても、子どもたちにとって平和な世界が約束されてるとは、思えないんじゃないかな。

 子どもが幸せに成長していけるよう、社会全体で子どもの育ちを応援していく、それは社会全体で子育てのコスト負担をするだけじゃなくてさ、たとえば電車の中で子どもが泣いててもさ、「まー子どもが泣くのは当たり前だよねー、お母さん(お父さんでもいいけど)たいへんだねー」と思えるだけの気持ちの余裕のある、そんな大人ばかりだったら、子を生む、という選択ができる女性が増えるのはまちがいないね。

 でも、電車の中で子どもが泣いてたら、怒り出すバカ、ていうか、クズが多いやん?

 そんな中、例えば明石市が子育て支援策を充実させても、近隣市町村から若い世代が流入するだけのゼロサムゲームでさ、日本全体の出生数、出生率は増えない、上がらない、よね。

 え?おまえ、反出生主義じゃなかったのか、って?

 いやいやいや、イズム、主義っていうのはさ、支持できる部分もあればそうじゃない部分もあって、完全に主義、イズムに染まる、ってのは、愚かだと思うんだよね。

 わたしは、反出生主義や、アナキズム、リベラリズム、コミュニタリアニズムにはかなり共鳴はするけれども、主義者、なわけじゃないよ。

 反出生主義を支持する一つの理由は、あまりに出生を言祝ぐ風潮がまだ強くあって、子をもたない人生をおくる女が辛い思いをしたり、子をもつ女にはマウントしてくるバカもいるわけやん?ってこともあって、支持してんの。

 わたしだって、駅や電車で、バギーに乗った赤ちゃん見かけたら、お母さん(お父さんでもいいけど)に、「かっわいいですねー」って、言うことあるよ。

 ていうか、言うのが正義、なんじゃないの?


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