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丹生都比売 梨木香歩作品集

2017-10-22 23:40:54 | 
昔の「丹生都比売」を読んでいたので、こちらは買ったものの数年そのままになっちゃってました。

子供の頃に「天の川の太陽」を読んでから、この時代がとても好きです。幼少期から近親者間の争いに翻弄される辛さ、そしてある意味醜さのある時代です。その中で鸕野讃良の強さは美しく、その強さに飲み込まれる弱者は哀しい。
神々が身近に感じられる梨木さんの語り。丹生都比売は人知などはるかに凌駕した存在であるからこそ敢えて弱きものに姿を変え世界を見回す。その前には讃良の強引さすら弱さを隠す盾に見え、それに振り回される更に弱きものたちが余計に切ない。

短編たちは全て初見でした。今までわたしがイメージしていた梨木さんとは少し違う感じの物が多かったです。特に前半は佐藤さとるさんの「龍宮の水がめ」が思い浮かんだり、あれ、小川洋子さんだっけって勘違いしたり。そうか、こういう不思議も書く人だったんですね。最近忘れてました。



 「丹生都比売 梨木香歩作品集」梨木香歩


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