関西の旅では桜井市に泊まった。
初日、京都から車で走って夜中に宿に着いた。
宿は山の麓にあるので、ナビゲーションもうまい具合に設定されずに暗い山中を走る羽目になってしまった。
真っ暗な山道で、最初は野良猫が現れたと思ったら、次はそれよりも大きなものが山道を横切ったと思ったら、それは鹿であったので驚いた。
さらに、藪の中に小さな獣が逃げ込むのが見えたが、これは多分ハクビシンではなかろうか。
そんなこんなで山に囲まれた静かな場所であった。
2日目の朝はここから30分くらいの長谷寺へ向かった。
元々、このお寺に行くことが目当てであったので、一番行動できる中日に宇陀市などこの界隈を回ることにしたのだ。
車で走ると材木屋が多く散見されるが、桜井市は木の街を謳っているらしく林業が盛んな場所であるらしい。
そんな山の上に長谷寺はある。
前日の京都と比べると人も疎だし、本当に静かで心が休まる場所だ。
入山するには正門から階段を登らなくてはならないが屋根付きの階段がまた渋い。
山々に囲まれた境内はかなり古いものだけど、重要文化財なので美しく保たれている。
本堂には奈良時代からの10メートルの木造の十一面観音菩薩が鎮座してあった。
参拝者はそこでお参りをするのだけど、その金色の観音様を目の前にすると、やはり何か有り難みみたいなものを感じてしまう。
いくらかお金を払うとその足元に触ることができて『ご縁』を頂けるとか何とかあった。
最初は、そんな足元に触ってもなあと思ったが、ここを出る時にはその観音様からくる神秘的な魅力が、後からジワリジワリと静かに込み上げてきた。
1500年くらい前のものに造られたものだし(何回か再造されたみたいだが)、この先いつ来れるのかも分からないので、触っときゃ良かったのかなあと少し後悔までした。
ただし残念なのは、流石に間近で写真を撮ることは出来ないのでこればかりは仕方ないけど。
それでも、その古き建物がこうして残っているのは凄いなあと思し、ここから見る周りの山々も奈良時代の時とそう大して変わらないのかなとも思う。
そう考えると何とも浪漫を感じてしまうが、まあ実際にはその当時はそんな悠長なことは言ってられない時代でもあったのだろう。
やはり、ここに来て良かった。
正直、仏像などそれほど興味は無かったが、この木造の観音様の燻銀的な美しさや、数千年もの壮大さが感じられたのが良かった。
しかし、そんなものがこのあたりには沢山あり、歴史好きの人には堪らないだろうなと思ってしまう。
この十一面観音菩薩像なのだけど、当時一本の巨木から同じものを二体創り、その一体は本堂に安置しもう一体は願いを込めて海に流したそうだ。
数年後に神奈川県の海に漂流した観音像を発見し、それがきっかけでできたのが鎌倉の長谷寺とのことだとか。
鎌倉の長谷寺には前に行ったことがりその時は全くもって仏像なんて興味はなかったが、今は何だか歴史は面白いなあと思う。
奈良と鎌倉の観音像を見比べてみたくもなくは無いが、もちろんそんな趣旨で仏像を創ったわけではなく、やはりそこには平和の願いが込められてるのである。
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