日暮里発 吹かそう幸福実現の風

日暮里から幸福実現の風を送っています  

成長戦略はどうあるべきか

2013-03-14 | 日記

 

[HRPニュースファイル576] 転載

政府の経済政策を立案する際に必ず出てくるのが「成長戦略」という言葉です。

一般的には、今後の成長が見込まれる分野に資源を配分することを指します。近年では、環境や医療、福祉が代表選手です。過去には、「鉄は国家なり」と呼ばれたように、鉄鋼業に重点的に資金や人材が投入された時代がありました。このように、成長戦略は「傾斜生産方式」と呼ばれた産業政策のイメージに近く、政府主導の政策であることは間違いありません。

最近では、城山三郎氏の『官僚たちの夏』(新潮社文庫)がTVドラマ化されたこともあり、熱血官僚の奮闘記が記されています。この本には通産省(現経済産業省)がモデルとなっており、城山氏は官僚の優秀性と国家のために命懸けで働く男の姿を表現しようとしたのでしょう。

とまれ、安倍政権の経済政策にも入り込んでいる成長戦略について様々な角度から検証する必要はあると思います。

第一に、成長戦略とは官僚主導が多いということ。

実際には官僚が法案作成原案や事務処理を行っています。また、官僚主導になると非常に面倒な手続きや規制が多くなることも事実です。

例えば、エコカー減税や電化製品のエコポイント。

これらの制度は定額給付金や子ども手当などのような減税措置と違い、納税者が実際に消費をしてこそ効果がでます。面倒な書類の提出をガマンできれば、企業や関連業界の活性化にはなっているでしょう。ただし、当該商品に興味を持たない方にとっては意味をなさないのも事実です。ある意味、政府による強制的な消費促進が本当に良いのかどうかの検討は必要です。

次に、「成長戦略そのものを政府が決めることが本当にできるのか?」という根源的な問題があります。ケインズ経済学には政府の市場介入を正当化する論理が含まれていますが、自他共に優秀性を自負する官僚にはケインズモデルとの親和性が高いようです。

上記の『官僚たちの夏』のモデルとなった通産省は、海外ではMITI(Ministry of International trade and Industry )と呼ばれたほど有名でした。日本の高度成長は、MITIの存在があったからだと考える海外の学者もいますが実際はどうだったのでしょうか。

東京大学の三輪芳朗教授とハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授との共同研究書である『産業政策の誤解』(東洋経済新報社)では、明確に産業政策を否定する結論を導いています(P・クルーグマン著の教科書『国際経済学』のコラムでも同じ結論を紹介している)。

なぜなら、産業政策を実施しようとした官庁には、民間経済に影響を及ぼす有効な政策手段が欠落していたこと。例外的にも有効な手段を有する場合にもその行使には慎重であったこと等が触れられています。両教授の見解に従えば、産業政策を実施しなかった産業の方が発展しているということです。

早稲田大学の若田部昌澄教授の著書『もうダマされないための経済学講座』を使い、もう少し詳細を見ていきましょう。

例えば、通産省が作成した特定産業振興臨時措置法案があります。この法案が通ると、新規参入ができなくなります。この時、後に世界のHondaの礎を作った本田宗一郎氏は、四輪車の生産に踏み切ります。さもなければ、本田技研工業は今後自動車産業へ参入できなくなります。現実は道路上でのテスト走行までは成功したものの、量産体制まではできないというのが現状でした。幸いなことに、この法案は廃案となり、以後、本田技研工業は腰を据えて自動車生産をすることができるようになったわけです。

要するに、成長戦略と称する産業政策を行うと新規参入が阻害されるため、技術やビジョンをもった中小企業の芽を摘む可能性があるわけです。

また、当時の本田技研工業が世界のHondaへと成長できると、誰が想像できたでしょうか。このように、成長産業は官僚でなくとも見極めることは極めて難しいのです。ましてや、最近は新規有望産業のブームが過ぎると消えることが多く、有望産業の見極めはますます困難になりつつあります。

さらに、R・ビーソンとD・ワインシュタイン教授の研究によれば、補助金、関税、税控除、政府金融の四つに関して、支援度が低いほど産業の成長率が高いことが示されています。言い換えれば、政府が支援すれば成長産業が育つわけではないと読むことができるのです。

このように、長年の経済学の実証研究によれば、産業政策は極めて分が悪い結論が出ています。要するに、政府が成長戦略を採用する必要はないということです。もし実行するならば、民間企業が活動しやすいように規制緩和や減税などを行い、民間の自由な発想と創意工夫を邪魔しないことです。発明や発見は現場で起きており、イノベーションは現場で起きている以上、政府が市場に介入する必要性はありません。

シカゴ大学教授であり、ノーベル経済学者でもあるG・ベッカー教授は「最良の産業政策とは、何もしないことである」(上記の三輪教授の著作に引用あり)と述べています。まさに言い得て妙だと言えましょう。(文責:中野雄太)
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【櫻井よしこ 安倍首相に申す】情報戦 日本に厚い壁・・msn産経

2013-03-14 | 日記

 

【櫻井よしこ 安倍首相に申す】情報戦 日本に厚い壁

(msn産経ニュースより引用)


03月14日 03時20分

日本は国際社会の会津藩になるのか。日本の行く手には、中国などの巧みな情報戦で築かれつつある厚い壁がある。汚名を返上しようとする度、壁が立ちはだかり日本は21世紀の国際社会で孤立させられるのか。こんな不……[記事詳細]

 


 


TPP参加で、農業後継者を地方に呼び込むチャンスとしよう!

2013-03-14 | 日記

 

[HRPニュースファイル575] 転載
 
全国農業協同組合中央会(JA全中)などの農林漁業、消費者関連の8団体(4千人規模を動員)は12日、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に反対する緊急集会を東京都内で開きました。

JA全中は、2月のTPPに関する日米共同声明で「全ての物品が交渉の対象とされる」「最終的な結果は交渉の中で決まる」などとされたことを問題視。

政府が早期に交渉参加を表明することになれば「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対」とした自民党の政権公約に反すると怒りを露わにしました。(3/12 産經)

昨年12月の総選挙で当選した自民党議員295人(復党議員含む)のうち、205人が選挙公約でTPP参加に「反対」を表明していました。これは、全体の約70%を占めています。(3/4 赤旗)

「これでは公約違反だ」「自民党は政権公約を守れ」の怒りの声が全国各地であがっています。

「国益を考えたらTPPには参加すべきだが、総選挙で農家、医療関係の票はほしいので、例外品目を勝ち取るべくTPPに参加します」というのが自民党の本音(公約)でした。

それを「例外なき関税撤廃が前提ならば、TPP反対」という選挙公約を掲げたことにより、今、そのツケがまわってきたといえましょう。

選挙で論点をぼやかし、先送りすることが、「人気の秘訣」なのか、「不誠実の象徴」なのかは、議論の分かれるところでしょう。

幸福実現党は、TPPに参加すべきとはっきり主張しています。(3/8 サンケイビジネスアイ 矢内筆勝党首コラム「TPP参加で日本を強く、豊かに 」)

農業従事者の平均年齢は66歳です。放っておけば10年後には後継者難から自然崩壊するのは火を見るより明らかであり、TPPを日本農業変革の好機とすべきであることは衆目の一致するところと思います。

規制緩和により、農地の集約化、大規模化、あるいは工場生産化によって国際競争力をつけ、日本の優秀な農業技術によって付加価値の高い農産物を輸出し、農業を輸出産業に育てることも可能であると訴えています。

しかし、一方で高低差の激しい日本の地形から大規模化にそぐわない農地が多いのも日本の現状です。美しい日本の風景として後世に残したい棚田などはその典型でしょう。

農地法第3条は、北海道では2ヘクタール、都府県では50アール以上でないと農地を購入することが出来ないとされています。(実際は、市町村ごとに別途条件を定めている)

私の知人(会社員)の配偶者は、約10アールの耕作放棄地でブルーベリーの生産を行い、収益を上げています。

しかし、50アール未満なので農地を購入することが出来ず、農家と認定されません。借地で小作農としての立場に甘んじ続けなければならないのです。

この事例は兼業農家の形になりますが、耕作放棄地が有効に活用されています。

兼業農家の存在が、保護農政の悪しき果実と批判される向きもありますが、大規模化にそぐわない高低差のある山間部においては、農地法3条の規制などを緩和し、逆に兼業農家を呼び込むことで耕作放棄地の増大、山間地の荒廃を防ぐことが可能です。

さらに、補助金農政の代りに農家の所得税を減税・フラット化し、大きな収益をあげても累進課税されないことで、後継者育成の大きなインセンティブとなります。

要するに、規制緩和により、大規模集約化も推し進め、大規模化のそぐわない山間地は兼業農家を後継者として呼び込む施策を考え、荒廃を防ぐことも十分可能であるのです。

前述の知人は「狭い農地でも収益をあげる自信はある。それが規制で足かせをはめられている。余計なお世話だ」と規制に不満を漏らしています。

TPP参加を機に、規制緩和を推し進め、国際競争力をつけると同時に、山間地域の環境保全も実現するWIN-WINの道が存在するのです。(文責・加納有輝彦)
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