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日本の憲法 Vol.48 民法733条1項が憲法違反(再婚禁止期間違憲訴訟)そして民法が改正される。

2017年10月28日 | Weblog


再婚禁止期間違憲訴訟

岡山県に居住している30代の女性が、平成20年3月に前夫と離婚をし、同年10月に後夫と再婚をした。しかし、後夫との再婚は民法733条1項の規定により、望んだ時期から遅れての成立となった。そこで、再婚禁止期間を定めている民法733条1項が、性別による差別を禁じた憲法14条1項および婚姻における両性の平等を定めた憲法24条2項に反する、そしてまた、これを改正しない国会の立法不作為に対する国家賠償を求めて提訴した事件である。

民法733条1項(再婚禁止期間)
「女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。」

第1審、第2審ともに請求が棄却されたために上告をする。

最高裁は、民法733条1項が定める6箇月(180日)の再婚禁止期間のうち100日を超える部分を違憲とした。但し、国家賠償の方は認めなかった。
判決文で、
「本件規定の立法目的は、女性の再婚後に生まれた子につき父性の推定の重複を回避し、もって父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあると解する」
民法772条1項、2項からすれば、「女性の再婚後に生れる子については、計算上100日の再婚禁止期間を設けることによって、父性の推定の重複が回避されることになる」
「医療や科学技術が発達した今日においては、・・・再婚禁止期間を厳密に父性の推定が重複することを回避するための期間に限定せず、一定の期間の幅を設けることを正当化することは困難になったと言わざる負えない」
「本件規定のうち100日超過分は、遅くとも上告人が前婚を解消した日から100日を経過した時点までには、・・・国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超えるものとして、その立法目的との関連において合理性を欠くものになっていたと解される」
「憲法14条1項に違反するとともに、憲法24条2項にも違反するに至っていたというべきである」

そして、この判決を受けて、2016年3月8日に「再婚禁止期間の短縮等に関する民法の一部を改正する法律案」の閣議決定がなされ、5月24日に衆議院で可決され、6月1日に参議院でも可決し成立に至り6月7日に公布・施行された。
この改正では、大きく2つのポイントが変わった。①再婚禁止期間が「100日」に短縮された。②再婚禁止期間内(100日以内)であっても、妊娠していない事実が証明(医師が診断した証明書)できれば再婚可能となった。



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