さて前回、ツクールを購入して始めるまでの心構えと準備について記述した。いよいよ購入したら始めていこう。ちなみにこの記事ではPC用のツクールについて記載する。家庭用のツクールでは参考にならない点もあるかもしれないが そこはご勘弁願いたい。
始めると早速、何もない殺風景なマップに一人のキャラクターがポツリと存在しているだけの画面となるはずだ。そう ここから全てを始めていくのだ。シナリオから作ろうがシステムから手を付けようがそれは正にプロデューサーである本人次第。好きに作れば宜しい。基本的な方法として恐らく何かの項目を集中的に作っていくことは不可能である為、イベント作ってシステム作って…と様々なことを並行しながら作り上げていく方法しかないであろう。おススメとしては最初のキャラクターと初期装備などのシステム項目を一通り作ったらイベント作りに入り、とにかくイベントの動かし方の機能を適当に作りまくって体で覚えていくしかなかろう。
イベント作りで最も大変なのはスイッチ操作であり、これはフラグ管理である。そもそもこれを理解しなければイベントは作れないと言っても過言ではない。とにかくスイッチ操作が大前提の肝なのだ。その上で乱数スイッチもあり、演出効果の制作も必要である。スイッチだけのイベントでは本当に味気ないファミコン時代のRPGとなる。少なくとも会話イベントでは登場キャラクターが動く、エフェクト演出を入れる(何かが爆発する や、魔法を画面上で発動させる)などの視覚的要素も含まれるイベントを作らなくてはSFC程度のRPGにも満たないゲームとなる。会話文も大変だ。キャラクターの喋り口調や性格等も多少盛り込まなければ会話が単調になるし、一回のテキスト表記でどの程度のテキスト量を盛り込むか。Aが話した後、Bが応答するのに何フレームかの間を入れるであったり。とにかく単調にならないように、プレイ側が読みやすい工夫を随所に入れなければならない。自分が考えたシナリオを登場キャラクター達の会話だけでプレイヤーに理解させる必要があるのだから全くもって大変である。(解説担当のキャラクターや説明口調のキャラクターがゲーム内に存在するのは、この辺の作り方が下手なゲーム会社であろう)さらに少しイベントを作ったらこまめにテストプレイして動作に不具合がないか確認しなければならない。テストプレイをしたときに「なんか思っていたのと違う」と必ず思うはずだ。これをある程度納得できる演出になるまで微調整とテストプレイを重ね、作り上げていく。イベントが出来たからといって安心はできない。しっかりとスイッチの操作を完了していなければ、同じ部屋に再入室することでまた同じイベントが発生したりと、ゲーム作りの大変さを まざまざと痛感させられるはずだ。自分は凝ったイベント(20-30分の大きいイベント)を作るのに半日以上費やすこともあった。ただイベント作りの指南はツクールの公式サイトにも懇切丁寧に説明されているので、それを見て理解していくしかない。
個人的にはRPG全般で目に付く点というと会話におけるテキスト内容なのだが、これは軌跡シリーズを見て取ると、良くない例が分かりやすい気がする。悪しき例としてこのようなビッグタイトルを挙げるのも何様だという話であるがユーザー目線の感想として捉えてほしい。まず逐一思わせぶりなセリフを持たせる(→くどくて伏線にもならない)、口癖の乱発「はは、〇〇というか。」(→登場キャラクター全員が良く言う)、会話文として一般的ではない単語を使う(→薫陶、殊勝 等)、ネットスラングを使用してしまう(2ちゃんねらーなのか)。こういったことが目立ち始めると一気に自分だけが世界観から離脱してしまうもの。また、番外編ではあるが二つ名の乱用も避けたほうが良い。一作品に2人位までが限界である。なんでもかんでも主要キャラに2つ名をつけてしまうと何が何だかわからなくなるしみっともない。…これ以上書くと軌跡シリーズを批評になる為避けるが、作品を作り上げるうえで注意したほうが良いだろう。いずれにしても会話は小説ではなく、人と人とのコミュニケーションである。あくまでそこを意識しながら作らないと妙なぎこちなさが残る。
そんな要領で会話のテキストの精度にはこだわった方が良いと思っており、シリアスなシーンや臨場感を醸し出すテキストが仕上がったときは嬉しいものだ。ただ作っていると欲深くなるもので、ある程度テキスト術が身につくと、ふとした時にコメディシーンやギャグパートを差し込みたくなるときがある。この感情が湧いて出てきたら要注意。結論から言うと無理をして入れない方が無難である。ツクールのソフトで手掛けたフリーゲームを一般公開している人たちがいる。その人たちのゲームをプレイしてみるとよくわかる。ギャグを差し込み始めると急に痛々しくなるのだ。もちろんゲーム完成度は一般公開しているだけあってレベルが高い。流石と唸る程である。しかしそんな人たちでもギャグセンスは別物。というか生半可なセンスでは笑いがとれないのだ。安易なボケとツッコミをテキスト上でさせてしまうと、その痛々しさがプレイヤーに伝わってしまう。もし、それでもギャグを入れたいのであれば極端に振り切ったギャグシーンが良いだろう。というか下品とされる領域まで踏み込まなければプレイヤーのクスクスは得られない。それだけゲームという世界観の中で笑いを生み出すというのはハイセンスなことと言わざるを得ない。個人的にはブレスオブファイア4は非常にシュールで良かった。興味のある人はプレイしてみてほしい。
さてイベントも作りつつマップなんかも作っていかないといけないのがゲーム制作。個人的にはマップ作りが好きという感覚がわからないくらい苦手である。ツクールをしている中で一番無駄な時間と思えるほどだ。一応これには救済措置がある。ツクールを購入した時点でサンプルマップなるものが用意されている。このサンプルマップ達はとても優秀で非常に使い勝手が良い。しかし長編のRPGを作るとなれば弾数が少ないことは明白だ。頼っているとすぐに枯渇する。そういった枯渇への措置としてダンジョン生成というオート機能があり、マップの広さを指定すれば勝手に作ってくれるという機能だ。いいもんがあるじゃないかと思っていると落とし穴である。ダンジョンを作るというよりかは迷路が出来上がってしまい実装には遠く及ばない。結局 切るだの貼るだのという作業が必要となり時間短縮には繋がらない。地道に下手ながら作っていくしかないのだ。個人的にはココが一番の躓きポイントではないかと思っている。それでも無理な人は無料で配布されているサンプルマップの素材をダウンロードするか、ツクールサイトの素材集を購入するのが手っ取り早いだろう。自分はとにかくマップ作りのセンスがなさ過ぎて自分で作ることを放棄した人間だ。まあ無理なことは諦めてやらない。外に落ちているもので何とかする。こういった割り切りも最後まで仕上げるには必要なことだろう。
ということで今回はイベント、会話テキスト、マップ作成について思い出しながら書いてみた。中々の苦行だぞ、ツクール。
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