OPEC(石油輸出国機構)諸国とロシアなどは(2017年1月から減産開始)、2017年11月末に2018年末までの協調生産で合意し、原油の過剰生産解消が進んでいる。価格回復の結果、米国(ほかにはカナダ、英国、Brazilなど)の原油生産量が急激に増加している。サウジ(財政赤字)はサウジアラムコの株式上場までは原油価格の下支えを必要としている(ロシアとの10-20年といった長期での合意を模索している)。ロシアは1バレル60ドル超なら財政収支黒字(WTI原油価格は2017年7月40ドル台から一貫して上昇)できるが、原油価格は2018年3月末65ドル前後 1月には66ドルという3年ぶりの高値にある。この間、米株価は下げたので、株価と資源価格の相関(連動)が崩れたと話題になっている(2018年3月)。
2018年12月 OPEC(15ケ国 本部ウィーン 議決は全会一致を原則 2017年の世界原油生産に占めるシェアは42%)はウィーンで総会を開き2019年以降も協調減産することで合意したとされる。背景にはシェールオイルを中心に米国の産油量が増加していること(2010年頃から活発化 2008年から2013年にかけ急増 2015年末に原油輸出解禁)。世界経済の減速で需要が減るとの観測。米中貿易摩擦による中国の需要減。英国のEU離脱を控えた欧州の先行き不透明など。投機マネーの流出がある。減産規模100万バレルを目指しているとされる。ロシアとの調整では減産幅をめぐって協議が続いた。背景にはエネルギー価格を下げたいトランプが増産を主張し圧力をかけているとのこと(トランプは2018年5月イラン核合意からの離脱を表明 2018年8月にはイランに対する経済制裁を復活させた。2018年10月イラン産原油の輸入ゼロを各国にもとめたり、11月に入り一部の国に適用除外を認めたりしているが、2018年7月に原油価格急騰でOPECを批判したことと併せて、原油高騰を望んでいないことは明白)、サウジが苦慮しているとされる。