Entrance for Studies in Finance

中国信託商銀による東京スター銀行買収(2014)

2014年6月5日。
東京スター銀行(店舗数約30 東京 名古屋 大阪 福岡にも店舗 預金量2兆円あまり中堅ながら店舗は全国に展開 前身の東京相和銀行は1999年6月に経営破綻 東京スターは2001年6月に東京相和から資産譲渡を受けて営業開始 2008年3月にアドバンテッジパートナーズがTOBで買収したもののリーマンショックで買収資金返済できず。融資団が再び担保株式を取得していた) 台湾の中国信託商業銀行(創業1966年 創業者辜濂松氏)が全株式を取得したことを発表した。これは外国銀行が邦銀を買収する初めてのケース(これまでは外資系ファンドによる買収だった)で極めて歴史的な事件である。

過去の外資による日本の銀行買収はいずれも買収ファンドによるもの
日本長期信用銀行の場合は1998年10月経営破綻による一時国有化。1999年に米投資ファンド、リップルウッドにより主導された投資組合に買収され、新生銀行に改称。2004年再上場で投資組合に多額の利益。
日本債券信用銀行の場合は1998年12月経営破綻により一時国有化。2000年にソフトバンクなどに買収され、あおぞら銀行と改称。その後、ソフトバンクなどにより2003年に米投資ファンド、サーベラスに売却。2006年再上場するもサーベラス支配続く。2012年サーベラスが残る持株を処分、ようやくサーベラス支配から独立。

これまでの東京スター銀行の主要株主は米投資ファンドのローンスター 新生銀行、フランスのクレディ・アグリカルなど融資団。
中国信託商業銀行の取得額は520億円。2012年末より株式売買交渉。2013年10月末 売買交渉成立を正式発表。
その後 金融庁の認可(2014年6月)。

中国信託金融HD(呉一揆総経理)の中核銀行である中国信託は、台湾の民間銀行で最大規模(預金量6兆円 台湾国内店舗147 CC発行枚数は400万枚超でシェア15% 12年末段階で中国本土 香港 インド 米国 日本 ベトナムなどに67拠点)というから
この合併は結構意味が深い。中台は通貨の直接取引が2013年2月6日から始まっている。
また中国と台湾の間では金融分野で自由化協定が結ばれている(2013年6月21日)。台湾の金融持ち株会社傘下の銀行に対し中国資本は20%まで出資可能になった。
東京スター銀行頭取の入江優氏は頭取を続投。会長には江丙坤氏(中国信託商業銀行HD最高顧問 台湾の知日派 創業者辜濂松氏の親友)。

東京スター銀行買収で、両者を合わせた預金量は8兆円超。海外拠点数はおよそ100となる。中国信託銀行の時価総額は2012年末時点で約6000億円で横浜銀行5400億円を上回ると伝えられた。
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