ソフトバンク傘下のスプリント(米携帯市場で4位)がTモバイルUS(同3位 ドイツテレコム傘下)買収交渉を続けている。
なおスプリントは懸命な赤字削減により4-6月期に3年ぶりに最終損益で黒字になったとのこと。大幅な経費削減。通信網 販売網は強化。お得感のある料金プランで成長を維持。もっとも時価総額でスプリント(347億ドル)よりTモバイル(536億ドル)が大きい。
買収が成功すればベライゾン、AT&Tに次ぐ 3位に浮上できる。
なおソフトバンクの有利子負債は既に15兆円近い(2016年には3兆3000億円投じ英アームHDを買収)。この背景に5月下旬に立ち上げた10兆円ファンド(ソフトバンクビジョンファンド)。またトランプ大統領にもとでのFCC委員長交代に期待。2014年の買収話はオバマ政権下ぼFCCの反対で実現せず。したがって関係者が合意した場合は、トランプ政権下でFCCの判断がどうなるかも注目される。
2020年から5G実用化するなど競争環境の変化が見込まれている。こうした変化を見込んで、最大手のベライゾンは昨年2016年 ヤフーのネット事業(検索 広告など スポーツや金融の情報サイトとして根強いファンが存在)の買収48.3億ドルを発表。2017年2月、ヤフーでの個人情報流出(2016年9月に5億人の個人情報流出発表 12月に10億人の個人情報流出発表 空前の規模とされる)を受けてその買収額は3.5億ドル減額されて、44.8億ドルに修正された。ベライゾンでは傘下のAOLと一体運営することで、コンテンツ配信やデジタル広告事業を強化するとのこと。またAT&T(2015年衛星放送大手デイレクTVを買収)がタイムワーナー(ワーナーブラザース、CNNの親会社)を854億ドルで買収で昨2016年大筋合意しており、問題は司法当局の判断がどうなるかに移っている。(背景にはネット動画の普及によりコンテンツ流通の主導権が動画配信業者に移っており、米国ではケーブルTV契約者が急減している。またネットユーザーがコンテンツの視聴より、SNSを通じた交流に時間を割く傾向も知られている。)