MBO(management buyout)は上場を廃止することによって 経営の自由度を高めることを目的にしている。手法としては経営陣と組んだファンドが主導する形でTOBが実施される。経営陣が買収側となるため、買収価格を決める過程で利益相反が起こりやすいとされる。非上場により、意志決定の自由度やスピードが改善される。利益を一時減らすなど思い切った投資を展開しやすい。
上場していると 短期的収益の悪化 株価の下落 などを避け 配当を維持しようとして 思い切った経営改革しにくい。
PIPES(private investment in public equities)方式は、買い手である(また一時の持ち手である)ファンドと話を詰めて、私募増資や第三者割引などの手法で市場価格より下値での取得するもの。ファンド側は下値での株式取得となる。ファンド側は株式を安く取得でき経営にもある程度関与できる。公募増資に比べて迅速に資金調達できるのは大きなメリット。ファンドの資金や経営力を借りることができる。また企業側(経営者側)は上場を維持できることもプラス。問題点としては、上場を続けていることで、大胆な経営改革はしにくいこと。
ところで一般にTOBでは市場価格より高い価格が提示されるが、日本では市場価格より低い価格で取引される「ディスカウントTOB」が時に行われる(英国では禁止 米国では事実上難しい)。あらかじめ相対で価格を交渉し、スピードを速く特定の買い手に株券をゆずるためとされる。事業再編や持合い解消を速やかに進めるためとされるが(価格について説明責任が残るという指摘があるほか)、ここにもPIPESが登場する余地がある。
MBO方式(非上場) 上場廃止への抵抗感があるが 経営の自由度上 意志決定早くなる 借金するなどリスクを取り込んだ投資しやすくなる。ファンドにとっては(経営陣を統制できるので)短期的資金回収には都合がよい。
2017年3月のTASAKI ファンドはMBKパートナーズなど
2016年10月のアデランス 投資ファンドはインテグラル