Entrance for Studies in Finance

公的資金による買い支え

日銀による株式・ETF購入・国債買い入れ

 1)期待に働きかけるフォワードガイダンス=時間軸政策 中央銀行が将来の方針を示し人々に期待に働きかける 1999年2月 ゼロ金利政策~ デフレ懸念払拭できるまで短期金利をゼロ%に近づける(ゼロ金利政策 長期化を約束する時間軸政策 開始) 2000年8月 政府の反対を押し切り ゼロ金利政策解除 2000年11月から景気後退 2001年3月 ゼロ金利に復帰

 2001年3月 量的緩和政策~ 物価が安定的にゼロ%以上になるまで 日銀当座預金残高を目標に資金供給(マネタリーベース拡大の量的緩和 開始)

 2002年11月から2004年9月の安値の時期に大手行などから買取り 2007年10月以降10年かけて処分

   

2006年3月 福井総裁 岩田副総裁 再び政府の反対を抑え量的緩和解除決定を強行する重大な政策判断ミス犯す ➡ 日銀への信頼低下 2007 定率減税廃止の効果もあり、2008年2月から景気後退へ

 2010年10月 包括緩和政策~ (ETF REITの購入開始 リスク性資産の購入:質的緩和が加わった包括緩和 開始

 2010年12月からETF買い入れを実施。2011年7月以降買い入れ額増やす。

 非伝統的金融政策について

 インフレターゲットの設定という政策(追い詰められた白川日銀 白川総裁のもと、日本銀行の政府や国会からの独立性を維持しようとした。重大な問題は日本銀行は政策を誤ることが現にあるのに、なぜ独立性を主張するのかという疑問だ。日本銀行の過去の失策は明らかであり、政府に抵抗することをもって中央銀行の独立性の象徴とみるのは明らかに間違っている。白川日銀は、2013年1月に2%の物価上昇目標を掲げ、日銀と政府はデフレからの脱却に一体的に取り組むとした。日本版アコード。アメリカのアコードは1951年3月でむしろFRBの政府からの独立を示したものだった 内容は連銀の買いオペの縮小・・・・マネタイゼーションの最小化)

 2013年4月 ETF 年間1兆円 REIT 年間300億円(いわゆる量的質的緩和 長期債の購入規模は異次元の規模に拡大 2%の物価目標を2年程度で達成するとした 異次元緩和=量的質的緩和政策QQEの開始

   量的緩和政策+リスク性資産を購入する質的緩和政策 資産効果を通じた景気刺激

  時間軸。インフレターゲット。量的緩和。質的緩和 ➡ 人々のインフレ期待に働きかけるフォワードガイダンス

 2014年4月 消費税増税(3%➡5%) 消費税は1989年度3%で導入 1997年度5%

 2014年10月 追加緩和 ETF 年3兆円 に引き上げ 長期国債買い入れ額を年50兆円から年80兆円に増やす 民間のポートフォリオリバランスを促す政策 年80兆円をメドに保有残高を増やす

 2014年11月18日 消費税増税(2015年10月)の延期(2016年4月へ)を発表(1回目の延期)

 2014年12月末 日銀のETF残高3兆3482億円

 2015年12月18日 ETF 年間3兆円から3.3兆円に引き上げ(銀行保有株売却を2016年4月に開始を相殺する側面)年間80兆円は維持

 2016年1月29日 マイナス金利政策導入 ➡ 自然利子率が0%k近傍まで低下しているので金融緩和のためにはマイナス金利が必要との主張がある(短期金利のマイナス化 マイナス金利付き量的・質的緩和 開始)量的質的緩和政策を補完

 2016年6月1日 消費税増税(2017年4月)再延期(2019年10月へ)を発表(2回目の延期)

 2016年7月10日 参院選挙 参院でも改憲勢力は改憲に必要な3分の2以上を確保した

 2016年7月29日 ETF 年間購入額を3.3兆円から6兆円に倍増すると発表(6月の英国のEU離脱に対し追加金融緩和を迫られたもの)

          円担保にドルを引き出せるようにする 2012年に始まった制度の拡大 120億ドル⇔240億ドル

 2016年9月20日ー21日 総括検証 政策の転換 長短金利を誘導目標に(長短金利操作導入 長期金利の過度の低下抑える)。長期金利 現状程度(ゼロ%程度)。短期金利をマイナス0.1% 。指値オペの導入。通常のオペでは買い入れあるいは売りつける国債の額が示され、入札される。指値では買取り価格(利回り)指定で無制限の買取り(売りつける) 長短金利操作付き量的質的緩和 物価上昇が安定的に2%を超えるまで資金供給を拡大する。長短金利操作(ゼロ金利政策と共に)量的質的緩和政策を補完 量から金利に変化 長期金利を0%程度に誘導 以降日銀の資産拡張ペースは鈍るようになる 反面政策変更と取られて円高になるリスクが恐れられている。

 マイナス金利政策微調整 金利を構造をやや立たせる マイナス金利の弊害 イールドカーブコントロール(期間10年国債利回りを10%近辺に誘導・・・国債運用に配慮)で運用難にも対処

 2016年9月29日 2年物国債の入札がやや不調。中期債の利回りに低下圧力。

 2016年9月30日 超長期債を含む国債買い入れ減額を申請

 10月に入る途中起債に利回り上昇圧力。生保各社は国債を避けて外国債券に振り向ける動き強める

 2016年10月末 民間銀行の持つ国債は2013年3月末比で半減した。166兆6255億円➡84兆4419億円

 2016年10月31日 物価上昇目標の先送りへ

  2016年11月1日 誘導目標 ゼロ%程度。2%物価目標(2013年4月のマイナス0.4%から14年4月にはプラス1.5%程度まで改善。その後下落。2015年半ばから再び前年比マイナス化。2016年9月に入るとマイナス0.5%まで。人々のインフレ期待によって物価が上昇するなら、同様に人々のデフレ期待が物価を押し下げているという解釈も成り立つ。GDPの250%あるとされる政府債務がもたらすリスクへの恐怖が、デフレ期待を拡大している。他方で原油減産で原油価格の上昇が始まり、円安で輸入価格があがることは、) 2017年度中から2018年度頃に。5度目の先送り 国債買い入れ額を据え置き。

 2016年11月7日 長期金利を市場に任せることが重要としてきたHPの説明を変更 長期金利の操作は可能と見解を変更

 大統領選挙後 長期債利回りの上昇圧力。

 2016年11月17日 日銀が2年債と5年債について指値オペ初めて実施(利回り指定で無制限に買い入れるというもの  金利の上限について日銀の意向を示す効果 9月に導入 オペの量の増額でなく指値を選択 市場が有利なため応じた金融機関はなかったものの2年債と5年債で金利を下げる効果あり 背景として長期金利で上げ圧力 大統領選挙後10年物はプラスに浮上。19日には9年以上がプラス 地銀は保有国債の年限を伸ばす:残存期間の長期化を検討。しかし金利上昇時のリスクも増える。長期金利上昇を抑える日銀の政策が頼り。日銀はコントロール力があるといえるかどうか)

 2016年12月14日 日銀が国債買い入れ増額実施 価格は低下) 10年超について従来の合計3000億円から3200億円に増額 金利上昇をけん制

 2016年12月20日 誘導目標 ゼロ%程度。景気について景気判断「一歩進めた」と発言し上方修正。緩やかな回復基調続けている。為替は行き過ぎではない(20日 1ドル118円台⇔円安容認と取れる発言)

   2017年4月30日時点 日銀の総資産は500兆円近い497.7兆円 うち424.6兆円が国債 米国とGDPは違うのに同規模なので 米国より大きいともいえる

 年80兆円を購入ペースはしたまわるようになった。雇用情勢は改善し一部の資産価格に割高感 → 量的緩和の継続に疑問符

   金融政策だけでは物価が上昇しないことは明らか。

 2017年9月頭を底に彫金金利上昇。10月3日 一時0.080%

2017年9月 安倍首相 基礎的財政収支黒字化の先送り発表 消費税増収分を社会保障の充実や教育無償化の財源㈡

  2019年10月消費税10%に引き上げ → 不況入りへ 株価 不動産価格崩壊 国民の怨嗟のなかで安倍自公政権瓦解

GPIF(世界最大級の年金基金)

 同様に2011年 日本株買い入れ増やす

 2014年 日本株の運用比率を12%から25%に引き上げる運用に変更

 

銀行等株式取得機構(大手行や地方銀行が出資して2002年に設立した認可法人 購入資金は民間金融機関からの借入 元利払いを政府保証 買取りは2002年2月から2006年9月まで実施 持合い解消の受け皿となり銀行経営を株式変動リスクから切り離すとした)

  2002年2月から2006年4月 大手行等から買取り 2006年秋以降 十分な時間を費やして処分

公的資金の比重 高すぎないか(一部の銘柄 10%から20%近く)

官製相場でないか

業績に関係がなく市場の選別機能を弱めないか

浮動株が減り小口の売買で株価が振れやすくなるのではないか

先行 銀行への公的資金注入 保有株 貸出債権の買い取りなど

   1992~ 預金保険機構

   1998/10  金融早期健全化法 金融再生法

   2000  預金保険法改正 

   2002~2004   銀行等保有株式取得機構 銀行からの保有株買取り

         2003  りそなに預金保険法による公的資金注入 実質国有化

   1998-2003 合計12兆3809億円を投入

   返済 普通株に転換して売却 あるいは銀行が買い入れ消却

   2004/08 金融機能強化法 2008/03までの時限立法

   2002~2004  銀行から保有株買取り

   2003~2005  銀行からの保有債権買取

   2006  三菱UFJFGが公的資金完済 追って みずほFG 三井住友FG 

   2008年12月 金融機能強化法(2012/3末までの時限措置 貸し渋りを防ぐため予防的注入認める) 金融機能強化勘定

   2011/07 大震災で被害を受けた金融機関向け特例措置を金融機能強化法に盛り込む(震災特例 経営責任を問わないことを明確化 預金保険法:金融危機の恐れがあるときに発動に対して予防的に発動可能 最初は2004年は不良債権促進処理 2008年12月に貸し渋り貸しはがし防止 地域金融機関の地元企業への融資後押しする仕組みになる 危機防止から成長融資の拡充へ)

   2013    三井住友トラストHDが完済 

   2015     りそなが完済 公的資金返済 峠越す

政府系金融機関:投融資に国会の議決が不要、政府に都合がよい。財投債は日銀も市場で購入できる

政策投資銀行 民営化時期明示せず(2015日本政策投資銀行法改正案:日本開発銀行と北海道東北開発公庫が1999に統合 2005民営化方針 2008株式会社化 金融危機のあと民営化は再三先送り 民間金融機関がとれないリスクを取って低利融資 危機対応融資で存在感)

国際協力銀行 日本輸出入銀行と海外経済協力基金が1999年に統合 一度2008年10月に日本政策金融公庫に統合後、2012年4月に分離独立

日本政策金融公庫 2008に国民生活金融公庫 農林漁業金融公庫 中小企業金融公庫が統合

商工組合中央金庫

官民ファンド 財務省が出資方法のファンドが事業の成長で出資分が戻ると財務省が安倍政権(2012末発足)の緊急経済対策の目玉にすることを認めた(2013春) 出資金は産業投資特別会計 原資は政府系法人からの配当金 一般会計から補助金を増やす余地乏しい

産業革新機構(約2兆円 13年間) 2009

政策投資銀行 競争力強化ファンド(3000億円 10年間) 2013/03

企業再生支援機構 2009/09  2007に解散した産業再生支援機構(ダイエー カネボウなどの懸案を解決 発足から4年で解散)の地域版 経営不振に陥った中堅・中小企業の再生に取り組む 民間企業に限って支援する 日本航空持ち込む その後 2013/03に「地域経済活性化支援機構」に改組 その後 ヘルスケア(健康・医療)投資に乗り出す

PFI推進機構(3640億円 存続15年) 2013/10

クールジャパン機構(600億円 存続20年) 2013/11

耐震・環境不動産形成促進事業 2013/03

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