
王宮のあった場所に残る王族のための
特別な寺院 「ピミアナカス」 は、
11世紀ごろの建立と考えられています。
(9月18日のブログ参照)
アンコールトムの完成が12世紀後半ごろと考えられていますから、
もともとこのあたりは、
アンコール王朝の重要な場所であったのでしょう。

「ピミアナカス」 は 「空中の楼閣」 という意味です。
その名の通り、天に向かってそびえるような
ピラミッド型の建物です。
あまりの急勾配のため、撮影機材を持って登るのは不可能で、
「ピミアナカス」 の上からの撮影は断念しました。

「ピミアナカス」 は
代々王族の様々な儀式が行われた場所と考えられています。
中央には 「リンガ」 が祀られていて、
同時期栄え、宿敵でもあったチャンパ王国 (現在のベトナム)
との関連が伺えます。
(9月26.27日のブログ参照)

アンコール王朝の遺跡には、そのほとんどにラテライトという
日干しレンガなどに使われる土壌が使われています。
この地域からは豊富に産出し加工しやすい素材ですが、
雨などの水分を含むと脆いという欠点があります。
おそらくは、
1000年単位の時間を経て再び土に還るといわれています。
アンコール王朝の遺跡が、いずれは土に還ることを前提に
つられていたとしたら、それは見事な 「エコ」 です。
同時に、私はそこに壮大ではかないロマンを感じます。
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