オーストラリアで最も古い街並み 「ロックス 」
その中を東西に走る 『Argyle Street アーガイル ストリート 』
(12月23日のブログ参照 )
岩山の岬のような地形のロックス ・・
東の港 サーキュラー キーと西の港 ミラーズ ポイントを
ショート カットするために、
長さ100メートルほどのトンネルが掘られました。
(12月21日のブログ参照 )
このトンネルの名前は 「Argyle Cut アーガイル カット 」
イギリスからシドニーに送られた囚人たちが掘ったトンネルです。
およそ25年の歳月をかけて1867年に出来上がったこのトンネル ・・
重機は使わず、囚人たちの手作業で掘ったと伝えられています。
このトンネルが出来た翌年の1868年、
1788年から続いた 〈シドニーの ) 流刑地の歴史が終わります。
自国で増え続ける囚人の問題に国はどう対処するのか ・・
思えば、流刑囚人を使って新天地に街を建設するというのは、
非常に合理的なアイデアです。
シドニーに送られた囚人は、
軽微な犯罪者がほとんどだったそうです。
(重犯罪者は危険で建設作業などには適さない )
彼らの懲役によって街がつくられました。
その最も象徴的なフィナーレが
「アーガイル カット 」 ではないでしょうか ・・
囚人たちが手作業で切り出した岩を使ってビルが建てられました。
ビルの建設に携わったのも囚人たちです。
19世紀にタイム スリップしたような印象のロックスの街並み ・・
近年、オーストラリアでは、シドニーをはじめ
約10箇所にわたる流刑地の歴史を見直す動きが起きています。
流刑囚人の貢献を認め、
彼らが強要された不遇な扱いを直視しようというものです。
世界遺産にも登録申請が行われているロックス ・・
およそ16万人の流刑囚人の苦役が、
世界遺産として評価される日が来るかもしれません。
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