南側の回廊には 「天国と地獄」 のレリーフが彫られています。
アンコールワットの造営者であり、
神の化身でもあるスールヤヴァルマン2世は、
天国、煉獄、地獄を三層に分けて描かせました。
自らは天国で御輿に乗っています。
人の業を裁くのは、
18本の手を持つ 「閻魔 (えんま) 大王」 です。
「地獄へ落とされる人々」 ・・
最盛期のアンコールワットへは、
多くの子供たちも参詣に訪れたはずです。
レリーフは、教育的な役割も果たしていたのではないでしょうか。
パリやロンドンの人口がわずか3万人という時代に、
インドシナ半島のジャングルに囲まれたアンコール王朝は
100万もの人口を抱える世界最大の都だったといわれています。
12世紀に最盛期を向かえ、
その後歴史の舞台から忽然と消えたアンコール王朝・・
近年カンボジア内戦時代には、
ポロ・ポトが率いるクメール・ルージュが、
アンコールワットに陣地を置くという
愚行に走ったこともありました。
かつて日本人は、伝説に聞く 「祇園精舎」 は
アンコールワットのことであると信じていました。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
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