
12世紀後半につくられたアンコールトムは、
アンコール王朝 (9世紀ー15世紀) 最盛期の建物です。
アンコール (都) トム (大きい) は、
クメール語で 「大きな都」 を意味します。

アンコールトムは、
アンコール王朝21代王=ジャヤヴァルマン7世の下建設されます。
その名の通り、巨大な 「都城」 のようなつくりになっています。

「都城」 の中心には、ヒマラヤ山脈を象徴しているともいわれる
「バイヨン寺院」 が堂々とそびえます。
( 仏教の世界観では 「須弥山」 )
その高さは、40メートルを優に超えます。

ヒンズー教ではなく、
大乗仏教に帰依していったジャヤヴァルマン7世は、
宇宙の中心として 「バイヨン寺院」 を建立し、
四方向に観世音菩薩の顔を彫り込んだ50もの塔を建てました。
観世音菩薩とは、いわゆる 「観音さま」 です。

「バイヨン」 とは、「美しい塔」 を意味します。

悟りの境地に達したように見える観世音菩薩・・

またやさしく微笑みかけているようにも見える観世音菩薩・・

「クメールの微笑み」 といわれるその表情が伝えるものは、
いまも謎のままです。
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