がめらのフィールドノート

人と自然との出会いの中から湧き上がった想いや音楽、エピソードなどを、紹介します。

小学6年生40人と挑む硫黄岳 ~その一~

2013年09月07日 | アウトドア
今年も、都内T小学校6年生の3泊4日の自然教室の季節となりました。

この行事はクラス単位で行われます。3年生から毎年訪れている清里。卒業の年の3泊は、担任の先生もこどもたちも、特別な想いがころられた3泊になります。

特に、全員で登頂を目指す登山はその想いの集大成と言ってもいい活動です。


今回私は3クラスを担当しました。
まずは一クラス目から。


東京を7時に出発、清里にある寮に着いたのは9:30。
荷物を寮に運び入れ、すぐに入寮式。
管理人さんにご挨拶をして、ジャンボタクシーに分乗。
登山口である本沢入口に向かいます。

行きのバスの車中で、今回の登山行程の話と、山小屋の使い方について、トイレの話などをしておきました。
タクシーの中では、各グループに一台ずつ渡したトランシーバーの使い方を練習。

さぁ、準備は万全なはず。
あとは、「みんなで登るぞ」という強い気持ち。

天気は、雨具を着るかどうか迷う程度の小雨。


11:45

とりあえず雨具を着ずに登山開始。
途中でおにぎり一個を食べ、2時間歩いて本沢温泉に到着しました。




ここで2個目のおにぎりをほおばります。
ここまでは、斜度のゆるい林道でしたが、ここからの一時間は急登が続きます。




ペースは順調。一番心配だったオトナたちもバテることなく登っています。
うんうん、いいぞー。


15:30

途中で雨具を着ることになってしまい、ペースが落ちるかと思いましたが、順調にやまびこ荘に到着。

ほとんどのこどもたちにとって、初めての山小屋泊です。

部屋を見て、「へー、こんなふうになってるんだー」と興味津々。
今夜はこのやまびこ荘に、貸し切りでお世話になります。




夕食はカレーライス。山小屋で肩を寄せあって食べるカレーライスはまた格別です。




灯りは、裸電球一個とランプ。その裸電球も、食事が終わったら消されてしまいます。




燃料の節約のためもありますが、暗くするにはもうひとつ大事な理由があります。

夜になると、ヤマネやモモンガが小屋の中に入ってきて、エサを食べるのです。

今夜もヤマネがやってきました。




グループごとに全員がヤマネを見ることができました。
ちっちゃくてかわいくって・・・子どもたちの目がキラキラしています。


外は雨と風の音。
今夜は満天の星空は見えないかな。日の出は見られないかなぁ。
・・・なんて言いながら、ゴソゴソしていた寝床にも、いつしか寝息が広がっていきました。


朝5時 起床。
外は雨。

気分が憂鬱になりがちな状況の中、僕たちを明るくしてくれたのは、モモンガくん。朝ごはんのあいだ、ずっと窓の外にいてくれました。


7時出発の予定を一時間繰り下げて、天気の推移を見ます。

登るかどうかの決断は、私に託されています。

風がほとんど吹いていないのはいいのですが、小雨のうえ視界が悪く、いいコンディションとはいえません。

先生方と協議し、「行けるところまで行きましょう。視界が今より悪くなった場合、風が吹いてきた場合は、すぐに引き返します。」
と、結論を出しました。




みんなの思いが通じたのか、森林限界を超えても天候は大きく変わらず。




全員が硫黄岳山頂に立つことができました。

全員にごほうびとして、チョコパンまたはクリームパンを配りました。
ぺっちゃんこになっているクリームパンでゴメンネ。

無事に登頂、とは言うものの、山頂に長居ができるコンディションではありません。
記念写真を撮ってすぐに下山。


引率者としては、状況判断に苦しんだ登山でしたが、下山中の満足気な表情がになによりうれしかったです。


登山後に、私の作る歌に入れたい歌詞をこどもたちから募集しました。200以上の言葉があつまりました。
その中から30個ほどの言葉を入れて、このクラスのウチを作りました。


翌日の夜、最後の夜のキャンプファイヤーで披露させていただきました。





「こころをひとつに」

やわらかな ランプの灯り あたたかなぬくもり 小さな出会い
まくらをならべ 語り明かした 山小屋の夜

そびえたつ 硫黄の山 あきらめないと 心に決めた
またひとつ カベを超えた こころのふるさとができた

  あなたを知った 仲間を知った 支えを知った 涙をしった
  あなたはくれた 歌をくれた 絆をくれた 勇気をくれた


やまと ぷっちょ きんとき にじこ チャーリー ぷーちゃん あらいっち
わたしたちの埴原さん そして たかちゃん

ひとからひとへ こころからこころへ 思いは強く つながってゆく
ゆらめく炎に わきあがる思いを うかべながら

  好きということ 感謝ということ ほんとうということ ここにいるということ
  最後だけれど 言わせてください ありったけの声で 「行ってきます」


この線 越えて それぞれその道 歩き出す
こころをひとつに 生まれた思い出 なくしはしない

  歩きつづける 伝えつづける わらいつづける 思いつづける
  わたしはずっと あなたとずっと はなれてもずっと ずっとずっと

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