「5原則」とは何でしょうか?
これを唱えたのはアントニン・レーモンドです。
チェコに生まれ、後にアメリカ国籍を取得した建築家です。
F.L.ライトの助手として旧帝国ホテルの建築に携わっていて、約40年を日本で過ごし、各地に名建築を残しました。
レーモンドは日本建築の優れた要素を設計の「5原則」としました。
1.「単純さ」2.「正直さ」3.「直截さ」4.「経済性」5.「自然さ」です。
そして、住宅は外から見られるものではなく、住む人の生活を大切にした、簡素な佇まいの中にある豊かな空間づくりが日本建築の特徴だと…。
西洋人から見て、そう感じたのでしょう。
時代はずいぶん経ち、変わりましたが…。
日本の気候風土は変わりません。
私たちは地域型住宅をつくっています。
地域型住宅は、この5原則に当てはまると考えています。
「5原則」を自分なりに補足したいと思います。
1.「単純さ」(Simple)とは
構造体、形をシンプルにするということは。かかる力も明確にするということに繋がります。
プランをシンプルにするということは、心地よさの広がりに繋がります。
つくる側の都合で決める単純さとは違います。
出来るだけシンプルにするということは設計上難しい作業になり、そこに真剣に取り組んでいるかということです。
真剣に取り組んだ「単純さ」は力の流れや造形に美をもたらします。
2.「正直さ」(Honest)
気候風土や立地条件に合った家になっているか…。
同じ地域でも風が強い場所、雪が多い地域、さまざまです。
資料だけの判断・基準レベルではなく、足を運び、周辺環境を体で感じ取り、それが設計に表現されなければならない。
3.「直截さ」(Direct)
「○○風の家」は日本の環境には馴染みません。
まわりくどくなく、シンプルで品があること。
これは日本建築の原点です。
むかしから在ったかのように…。
周辺に馴染むような家でなければなりません。
4.「経済性」(Economy)
地域材を利用し環境負荷の低減を考え、家づくりを行なわなければなりません。
材料やエネルギーを無駄にしないことは当然です。
ですから家はブランドや高級イメージを持つ必要がありません。
ランニングコストを含め、誰もが手の届く「家」を提供しなくてはいけません。
5.「自然さ」(Nature,Natural)
自然の素材、自然のエネルギーを利用し、それに感謝できること。
近くの木と近くに住む人達が家をつくり、次の世代が活躍できるステージを用意できることが自然のことでなければならないと思っています。
そして、家にいて自然体でいられることは明日の活力を見出します。
それが「自然さ」だと考えます。
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