断熱性能を高めるほど熱が入りにくく、逃げにくくなるので、非暖房室でも室温の低下を防ぐことができるうえ、少ないエネルギーで全館(家全体)を連続して暖冷房できるようになります。
平成28年の省エネ基準おいてUA値0.75(宮城県4地域)以下にしなければいけませんが…。この数値は平成11年の基準と同じで、レベルがかなり低いものです。
国の基準が低い?
それでは何を基準にすればいいのか?
学識者等の団体、HEAT20(20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)でつくった、グレード1・2・3(G1・G2・G3)が指標としてあります。
宮城県4地域のG1:0.46、G2:0.34、G3:0.23になります。
これは非暖房室での最低室温がG1:10℃、G2:13℃、G3:15℃を下回らない温度を想定しています。ちなみに平成28基準は8℃です。
G1の10℃というのは非暖房室の表面結露の防止、すなわち住まいの健康を主目的としたものです。
G2・3の数値は室内の温度ムラを小さくし、住まい手の暮らしやすさの向上や温度ストレスを考えたものからきています。
平成28年基準からの暖房負荷削減率はG1:35%、G2:50%、G3:70%になります。
ゆえに…最低でもG1のUA値0.46(以下)の数値を目指せばいい?
専門家の方は、G2を目指しましょう!と言っています。
では、なぜG2なのでしょうか?
全館暖房にした場合、G1では平成28基準より50%エネルギーが多くなってしまいます。G2では±0で、G3は約40%削減することが出来ます。
ゆえにエネルギーが±0になるG2レベルを推奨しているのです…。
4地域のG2:0.34にするには…
付加断熱+トリプルガラス仕様にしないといけません。
プランや階数、床面積にもよりますが、約110万円(前後、UA値0.40から0.34へ)の費用がかかります。
ガソリン、木材の値上げに加え、食料品、資材等の価格が上がっている中、100万円はきつい! 予算に余裕があればG2を求めてもいいと思いますが…。
これが6地域であれば、G2のUA値は0.46になり、弊社の標準仕様(UA値0.40)でクリアしてしまいます。
6地域はどこでしょうか?
東京都や千葉市、さいたま市ですが…金沢市、福井市、岐阜市も6地域になっていました。
4地域と思っていましたが…。
最低でもUA値0.46を求めればいいのですが、0.40までであれば、極端に費用はかからないので弊社では標準仕様としています。un・gbとも同じ仕様です。
全館暖冷房でエネルギーが平成28基準と同じ±0になるのでG2ということですが…。
私はそこで判断しなくてもいいと思っています。
G1よりG2はいいに決まっていますが…。
UA値はあくまでも目安です。HEAT20のホームページにも載っています。
費用対効果も、現実的なローンの支払も大事です。
G1.5(UA値0.40、この言葉は存在しませんが)でも十分です。
私だけでなく、「断熱・気密」に関わっている業者・メーカーさんも同じ意見で「そんなにお金をかけなくても…」と思っています。
最低はUA値0.40と抑えていた方がいいですし、予算に余裕があればG2以上でつくるということでいいと思います。
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