2016年に本館と前庭を含む敷地全体がユネスコの世界文化遺産に登録されましたが…。
世界遺産委員会より「当初のル・コルビジェの設計による前庭の設計意図が一部損なわれている」という指摘がされていました。
今回、地下にある空調設備と屋上防水工事を更新する機会に、本来の設計意図が正しく伝わるよう、1959年開館時の姿に可能な限り戻したそうです。
1959年会館時は、西側にある門からアプローチでした。
床には動線(帯)が描かれ、帯の先には銅像がありました。
今までの植栽が大幅になくなりました。
動線(帯)を半分ぐらい進むと、直角にまた動線(帯)があり、これはエントランスへと誘うものです。ル・コルビジェの弟子にあたる前川國男も宮城県美術館でピロティのタイルデザイン(光の反射で帯をつくり)でエントランスへと誘っています。
1998年には本館耐震(免振化)工事を行っていて、その部分が見られるようになっています。
今回のリニューアルからこの部分は無料のゾーンになり、入ることが出来ます。
リニューアル記念として、ドイツ・エッセン・フォルクヴァング美術館の協力のもと、自然と人の対話(ダイアローブ)から生まれた近代の芸術の展開をたどる展覧会を鑑賞してきました。
刈り入れ(刈り入れをする人のいる=サン・ポール病院裏の麦畑)はゴッホの作品です。
麦畑の「黄色」が躍動していて、生命力を感じますが…。
麦を刈っているのが人間ではなく死神だそうです。麦が生き物で人間も含まれているとか…。
ゴッホが病んでいる時の晩年の作品になりますが、生命力を強く感じます。
昨年鑑賞した、同じ時期に入院時に描いた病院の植栽の絵も生命力を感じたものです。
ゴッホならではの作品です。
兄の才能を見つけた弟のテオは、病気になっても見捨てませんでした。最後まで才能を信じていたのが分かります…。
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