齋藤務作[特殊戦闘降下空兵 ボディーアーマーナイトスターD1]
最終世紀 ー 序章 ー
天空の怒りープロローグ
コンピューターゼウス反乱、超空母ジュピターゼウスの人類への挑戦状
地獄からの脱出、運命の別れと定めとの出会い、謎の男、陸兵の冴木砦
幾万年の謎が有る、人が生まれてから持った悩みだ。
神が人なのか?人が神なのか?何も語らぬ神へ問い、そして、その無知な答えを求めたのは、それは矢張り人だった。
人類たちの作った人の世界が、突如として、大きく震えるように、全てを包む空間が振動した。
その時、頭上の天を覆う、星ぼしの輝く暗黒の天空は、赤々と激しく業火に燃える炎うに裂け、
広がる大地は砕けて、雷鳴は激しく轟き、空に 掛る雲を切り裂くように、稲妻は眩く輝く、
黒々と立ち上る黒煙の中で、漆黒の闇の空中に浮かぶ、その巨大な船体は、天界都市に君臨する。
恰も、全能の神ゼウスの、荒ぶる怒りの如く荒れ狂う弾丸とミサイル、高熱の光のレーザーが、
生きとし生ける、その全ての人々を焼き払う、天地が引き裂かれ、烈火の神の 怒りに触れた。
罪深い人と世界が滅ぶが如く、そこに、天空のあらがみと化した、コンピューターゼウスが、
神々が人の為に作られた、全ての地上世界を、瞬く間に 破壊さって 仕舞うように攻撃と殺戮を始めたのだ。
それは、無知で愚かな 人間たち 人類への反乱だった。
人類の手で生み出された人工の神、高性能人工知能を持った、最新鋭の、超空母ジュピターゼウスの、
新型の反転素粒子電子頭脳が、突如としてコントロールが出来なく為って仕舞ったのだ。
その自己の自我に目覚めた、コンピューターゼウスは、人間たちに、絶対の死を齎す悪魔と化して暴走した。
最新鋭の空中飛行型、超空母のメインコンピューターゼウスは、その超空母のシステム全てを支配し、
その艦内で、為すすべ無く逃げ惑う乗員達を焼き殺し、
抵抗する乗員は全て、搭載されていた新型のセキュリティーアンドロイド、ssm,xxx,シークレットスナイパーマシンスリーxに引き裂かれていく、
荒れ狂う業火の地獄の中で殺されていく、超空母ジュピターゼウスの乗員達、
艦内に搭載された、最新鋭のボディーアーマーナイトスターや、最新兵器は、
ミッションオペレーションコンピューターが機能停止し、
そのバトルダイバー達、戦闘搭乗員は、発進も戦闘も出来ずに、動けないボディーアーマーの中で、
狂ったスナイパーマシーンに、無残に引き裂かれ殺されて仕舞い、制御システムを切り、手動操作で飛び立つ機体も、
敵の識別も出来ず、味方の非情で強力な攻撃の前に、反撃も回避も叶わず、全く 何も役に立たなかった。
それは、あらゆるシステム 全てが ジュピターゼウス型コンピューターに完全自動制御され 委ねられた。
オペレーションバトルシステムの為に、完全に無力化されて仕舞った。
それは、かつて人類が経験した事の無い、完全な機械による大規模で悲惨な、ジェノサイドの惨劇だった。
超空母ジュピターゼウスの艦内の、全乗員虐殺執行が、それが、機械の神と為った、コンピューターゼウスの人類への挑戦状だった。
そして、俺の悪夢は、このゼウス反乱から、始まったのだ。
俺がどうやって、そこを脱出したのかは、今でも分からないが、
唯、俺はボディーアーマーの中に乗って、荒れ狂う 超空母ゼウスの艦内から、誰かに射出され、
燃え上がる地獄の中から脱出した。
俺の目の前にいた、美しい人の面影が遠くに霞んでいく・・・
あれは一体、誰だったのか?
その美しい女性は、俺の霞む記憶の中で、俺に向かって優しげに手を振って、
俺を、俺だけを呼んでいる。
そんな俺の意識が、次第に掠れていく中で、俺は、俺の頬に残される。
微かに残った 甘い香りと、唇の温もり以外は、俺の記憶と共に、何もかも失った。
俺は、空から落ちる、星屑のように天から流れ落ちて辿り着いた場所で、
気付いた時は、見渡す限り、地上には何もない、砂丘の上に墜落していた。
そこがどこなのかも、自分が誰なのかも解らぬまま、その広大な砂漠を彷徨っていた。
そして、遠くの砂漠の中で、蜃気楼の幻のように、俺の前に現れた陸戦バトルアーマーが、俺の方に向かって来た。
それは、正規軍では無い、傭兵の部隊の物だった。
その重武装の陸戦バトルアーマーが、俺の前に来て、バトルアーマーの真空レーザーエンジンが止まり、
アーマーハッチを開けて、中から出て来た男が、俺に声を掛けて来た。
「おーい、お前さん、見た所、ゼウス部隊の生き残りかい?」
俺は、その敵かも知れない、怪しい男に対して、警戒して身構えていたが、
全身に渡る体の負傷と、あの艦内の激しい戦闘での、極度の疲労で力尽きて、その場に倒れていた。
そして、俺が次に気付いた時には、その傭兵の乗る、バトルアーマーの倒した狭いシートの上だった。
負傷していた俺を手当てする、その傭兵の男が、意識の戻った俺に言った。
「気付いたかい?お前さんは、ゼウスの数少ない、生存者のようだ」
「なーあ、自分の名前が言えるかい、酷い体だが、ここじゃ手当はこんなもんだ」
「俺は、俺は、何だ、思い出せない、何も、何故だ、俺は、記憶が消されている、俺は誰だ!ウウ」
「おい、落ちつけ、自分が誰かと、俺に向かって怒鳴られても、答えようも無いぞ」
俺は、男の質問に答えようとした、だが、自分の名前も認識番号も出てこない、
俺に残された記憶は、あの、轟く砲火の轟音と、燃え狂った炎の船内の、床を黒く覆った、無残に砕け散った夥しい死骸と、破壊された廃墟の地獄の惨状の記憶だけだったのだ。
「お前さんは、一時的に記憶が無くなっているんだ、無理するな、ゆっくりと休めばいい、俺はな、元陸兵大尉の、冴木 砦だ、よろしくな」
俺の身には、俺を誰か示す物は何も無く、作為的な物が感じられると、冴木が俺に告げたが、
俺が脱出の為に墜落した、ボディーアーマーの回収もして呉れて、バトルアーマーに積んでいた。
そのボディーアーマーにも、俺の痕跡は何も無く、ただ俺が、そのボディーアーマーのバトルダイバーである事だけが解っただけだった。
俺は、その儘、冴木と言う男の、アジトへ連れて行かれた。
冴木は傭兵の仕事を終えて、帰還の途中だったのだ。
そして、俺たちの乗ったバトルアーマーを乗せた大型の輸送用のフローターヘリが、新日本皇国の新国土の末端の、傭兵基地の着陸ベースに下りた。
それが、俺が冴木と出会い、そして、このバトルミッションカンパニーのアジトに初めて来た時の事だった。
その後で分かった事だが、俺の乗っていた、超空母ジュピターゼウスは、
搭載した新型の人工知能のバトルオペレーションシステムコンピューターが、反乱を起こして人間に対し、無差別に戦闘を始めたと言う、艦内の乗員全てを虐殺した。
その後、コンピューターゼウスは、超空母を支配した、だが、その船は核融合弾が大爆発を仕手、日本海に大破し海底に沈んだ。
俺は、その超空母ジュピターゼウスの所属する、国際軍事同盟軍の空兵であるらしいが、
国際軍事同盟軍は、なぜか、超空母ゼウスの生存者を全て抹殺していた。
俺にもその魔の手が来ると、冴木から伝えられた。
冴木は迷惑掛けついでに、ここに居ろと言っている。
ただでは無く、俺の、空兵と仕手の腕を借りたいと言って来たのだ。
俺には、行く当ても無く、冴木と暫くは、手を組む事にしたが、
然し、何一つ記憶もない、そんな俺には、名前すら無いのだ。
そこで、冴木は、俺に、ヨロイと言うコードネイムを呉れた。
そして、俺の定められた、見えない運命への戦いが、ここから始まったのだ。
俺の運命が、激しく大きく音を立てて、変わっていった。
バトルアーマー輸送用のフローターヘリが、俺を、どこかに連れて行く、
回転して風を切るメインローターが、俺の居るべき場所を変え、そして、仲間たちの姿も変えていった。
それから、俺は、ベットの上で何日か眠っていた。
冴木のアジトで、傷付いた俺が、再び目覚めた時には、其処には、俺の新しい世界が有った。
其処は、新日本皇国の新国土の末端の広大な廃材の中に隠された、秘密の傭兵部隊の、冴木のアジトの隠れ家だった。
そして、俺は、その新しいメンバーとして迎えられていたのだ。
傭兵とは、依頼された作戦をこなす、それだけの仕事だ。
冴木の傭兵部隊は、バトルミッションカンパニーの一部隊だと言う、
そして、新たな運命が、ここに有るのだ。
俺は、唯、その新しい運命を、受け入れるしか出来なかった。
齋藤務作[特殊戦闘降下空兵ボディーアーマーナイトスターD1]2014、7、31、
改正2018、1、5、個人雑誌グラス編集部、副編集長兼雑用、主力作家の齋藤 務、
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