ある人に、面とむかってこう言われた――
「キミってほんとに……“甲斐性”ないよねぇ」
……人間、誰にでも“わかっちゃいるけど現状とりあえず棚に上げていること”ってあると思う。例えば――
「あと一冊でコンプリートできるマンガの単行本を買おうと思いつつ、ついつい他のタイトルの新刊に目が行ってしまい、なかなか買えないでいる」
とか、
「もう少しでひり出せそうな、う○この第三波を、観たいTVの時間に間に合わないのでとりあえずガマンする」
とか。そういうの。
同様に、冒頭のキメゼリフも、次のように言い替えることができるんだ。
「フツーにジャマだから、通路でピヨってンじゃねえええええよ、このマンガヲタ!」
とか、
「第三波とかまで、ユネスコばりに平和にキバってンじゃねえええええよ、このゆるゆる水戸肛門!」
とか。そういうの。
ああ、そんな“そういうの”を、第三者にあらたまって言われてしまったときの、我が心のクライシスよ。これを……端的に表現するなら、そう――「(泣笑)」。
いや、「笑」は余計だな。そもそも、そんな蛇足を足して喜んでいるから、甲斐性がないんだ、俺は。そうだ……「泣」だけでいい。男は黙って「泣」いて……いや、「哭」いて、の方がいいかな。
「哭きのゴー」
みたいな。それとも、河島英五の「酒と泪と男と女」みたく、男は何がなんでも“泪みせられないもの”――という説もある。それならば、泪の代わりにこうしよう。
♪呑んで~ 呑んで~ 呑まれて~ 呑んで~(もちろん、新宿のゴールデン街で)
――そんなわけで、ちょっとそんなふうに……“人としてクライシスな状況”に陥っていた俺を救っくれたのが、この――
「ドラえもん人形焼」だったんだ……。
美味い。とっても、美味い。芳醇な香りただようカステラのなかに鎮座する、濃厚なカスタードクリーム。立て続けに3個口に放り込む、俺。そしてさらに、「なのら」言葉をしゃべっていたころのドラえもんが、こう俺に語りかける――
「キミは、大丈夫なのら」
……ダメだこりゃ。
「キミってほんとに……“甲斐性”ないよねぇ」
……人間、誰にでも“わかっちゃいるけど現状とりあえず棚に上げていること”ってあると思う。例えば――
「あと一冊でコンプリートできるマンガの単行本を買おうと思いつつ、ついつい他のタイトルの新刊に目が行ってしまい、なかなか買えないでいる」
とか、
「もう少しでひり出せそうな、う○この第三波を、観たいTVの時間に間に合わないのでとりあえずガマンする」
とか。そういうの。
同様に、冒頭のキメゼリフも、次のように言い替えることができるんだ。
「フツーにジャマだから、通路でピヨってンじゃねえええええよ、このマンガヲタ!」
とか、
「第三波とかまで、ユネスコばりに平和にキバってンじゃねえええええよ、このゆるゆる水戸肛門!」
とか。そういうの。
ああ、そんな“そういうの”を、第三者にあらたまって言われてしまったときの、我が心のクライシスよ。これを……端的に表現するなら、そう――「(泣笑)」。
いや、「笑」は余計だな。そもそも、そんな蛇足を足して喜んでいるから、甲斐性がないんだ、俺は。そうだ……「泣」だけでいい。男は黙って「泣」いて……いや、「哭」いて、の方がいいかな。
「哭きのゴー」
みたいな。それとも、河島英五の「酒と泪と男と女」みたく、男は何がなんでも“泪みせられないもの”――という説もある。それならば、泪の代わりにこうしよう。
♪呑んで~ 呑んで~ 呑まれて~ 呑んで~(もちろん、新宿のゴールデン街で)
――そんなわけで、ちょっとそんなふうに……“人としてクライシスな状況”に陥っていた俺を救っくれたのが、この――
「ドラえもん人形焼」だったんだ……。
美味い。とっても、美味い。芳醇な香りただようカステラのなかに鎮座する、濃厚なカスタードクリーム。立て続けに3個口に放り込む、俺。そしてさらに、「なのら」言葉をしゃべっていたころのドラえもんが、こう俺に語りかける――
「キミは、大丈夫なのら」
……ダメだこりゃ。