2014/2/15(土) 12-13時フジテレビ企画http://www.fujitv.co.jp/designfes/index.html?pagelink=topfooter
イベントに当選して、失恋ショコラティエの監督と美術デザイナーのかたの対談を聴いてきました。
大雪でゆりかもめも全面運休の中、実際は40名くらいの当選者リストを見ましたが交通の影響で出席者が少なくてほんとに残念。
先に展示していた「失恋ショコラティエ」のデザイン画、ショコラヴィ、小動家リビング、爽太の寝室、リクドーのをみたり
そしてあのラッキーセブンSPイベントをやったフジテレビ1Fのマルチシアターが対談場所だったのであのときのまま(TVですが)の舞台をみたり、延々の「Bittersweet」が流れるなか5分遅れで、約6割くらいの参加人数でスタートしました。
第2部の松山博昭監督と監督のすべての美術デザインを手掛けている美術デザイナーの坪田幸之さんの対談「人気番組クリエイションのヒミツ」で
「失恋ショコラティエ」「鍵のかかった部屋SP」「ライアーゲーム」のうち、失恋ショコラティエだけですがざっくりレポります。
監督はラキセSP勝手なイメージで思っていた感じよりすこしふっくら、でも若い感じでびっくり。湾岸スタジオの失ショコ撮影を抜けて、このイベントが終わったらまた湾岸スタジオに戻られていきました。
12:25ころ登場 下手に西山アナ・インタビューアー(美術制作局チーフゼネラルプロデューサー)、上手に坪田さん、松山監督で第2部開始
(あのイベントのときのTVの中で潤くんが座ってたのと同じ椅子だったが個人的に気分↗)
西山アナ:ドラマというのはまず台本があって、文字を読んで、イメージを膨らませて映像を膨らませていくわけですが、文字だけ読んでどうやってイメージを映像を創っていくのでしょうか
(画面には1話の台本の中、ボネールやショコラヴィの描写に関わる部分が何ページが表示)
松山監督:まずある程度資料集めみたいなものから当然はいりますけれども、今回は根本的には月9で、恋愛ドラマで、少女マンガ的(チョコレート店で)なものという原作があったので、セットを創る根本的なものとして”主役である松本潤さんを、どうすれば美しく撮れるか”ということからコンセプトが始まっていて、デザイナーの坪田くんには”明かりが綺麗に撮れるセットを作ろう”というとことから始まっていて、結構チョコレート屋さんのいろんな資料をみたんですけれども、”窓が大きくて、明かりの射しこみをきれいにするにはどうしたらいいかなあ?”というところから始まっていて・・
(画面にはさまざまなチョコレート店の資料画像がたくさん)
まあ、いろいろ二転三転して、僕らとしては明かりを綺麗にするために全体のトーンは、たとえば下にあるものとかはダークなほうがいいかな、みたいな話はしていたんですけれども、最終的にはああいう”可愛い感じ”に落ち着いたんですけれども、いずれにしても今回セットを考えるにあたっては”松本さんをどう綺麗に撮るセットが作れるか”を全ての発想の根源において、いろいろ考えました。
インタビューア:(画面も沢山のチョコレート店の画像を)これは実際に坪田さんが集めたもの?逆にリクエスト受けて、提案したこととかあるんですか?
坪田デザイナー:はい、監督がいまおっしゃったとおりなんですけど、マンガの原作があるのって非常に実は難しい部分があって、”原作をどれだけ追うか” ライアーゲームもそうなんですが、これに関しては今監督がおっしゃったように、最初は ”窓””光”っていうものをテーマ性にしてたので、ダークな世界観、どちらかというとブティック的な高級感漂わせたい感を創りたいとおもって、後でパース画がでると思うんですが
(画面は最初のショコラヴィのダークパターンのパース画※ベースは一発でOKになったそうです)
一番最初、これなんですよね。ちょっとブティックっぽい感じに、色目を極力抑えながらダークベースで、杢ベースで、アンティーク・クラシックの世界になっているんですけれども、進めていくなかでちょっとやりすぎたなっていう部分が監督にあって、それで”色目をいれていこう”という話になりました。
で、原作の色目、雰囲気を挿し込んでいくときに、アンティークにしてたダークな世界観等々を全部タイルばりにしたりとか、ちょっとピンクを可愛らしいのをいれたりとか、ステンドグラスをいれてそれこそ松本さんの背景にくるようにレイアウトする部分で、完全に最初のコンセプトからはいじっていったんです。
(最終のショコラヴィ パース画へ)
イ:最初に比べると落ち着いた感じになったんですね、アレンジして。これ監督との話合いで?
坪:そうですね。どちらかというと松本さんが最初修行に、1話で、行かれるんですね、ボネールというフランスの有名ショコラティエ、というとこなんですけど、そこの世界観に・・実は僕最初このパースなんですけど、これもセットで建てたんですけど、この世界観…どちらかというと原色の色目等々を使って、パリにあるほんとに可愛らしい雰囲気の、原作ももう1つ書いたんでいいかなぁと思ったんですけど、最初監督のオーダーがちょっとダークな雰囲気でってことだったんで・・
松:最初基本的に明かり以外の色はないほうがいいという話をしていて。
やっぱり暗い中で“ふわっ”と松本さんが立った時に“窓の逆光の前に暗いなか浮き立つ”って感じのイメージかなと思ったですけど、そこ(ショコラヴィ)長い(く使う)セットの話なのでそこ1点にずーっといるわけにもいかないので、それを活かしつつ、ほかのところいろいろ行っても色目があるみたいな結構大きなコンセプトチェンジを、セット発注のギリギリのところで直接電話して、「やっぱちょっと変えよう」っていって、結構いろいろぎりぎり足してもらったというみたいな。
イ:結構吹き抜けの大きい空間で、スケッチを最初みたときはどんな感想だったんでしょうか
松:2階建てのセットってあまりないので、やっぱり大きい吹き抜けがある感じというのは面白いなと思いましたし、やっぱり当然いろんな画(え)が撮れそうだな、とは率直に・・第一節かなーとは思いました
イ:ということはデザイナーの考えた大きさ、空間、らせん階段とかいうのが気に入ったわけですか、最初で
坪:僕が一番最初に監督に・・、ようはスタジオの大きさってあるんですね。
その中で結構今回、月9に関してはスタジオの配数が非常に多くて、全部セットにコマをつけて、そのセットじゃないときは外に出すという態をとってるんです。引き枠※っていうんですけど
※〈引き枠〉:車のついた動く台に舞台装置を置き,移動させること
その中でメインセットに関しては完全に建て放しするんですけど、あんまり大きなスペースはとれないというなかで、でも世界観が広がるような構築をしたかった時に“縦の構成を創ろうか”というのを監督に提案して、もう僕は一番最初に監督にらせん階段で上下の関係性をつくって、それでルーズショット(カメラアングルの一つ)が成立するようにしないか、っていう提案をしたときに、ノッて頂いた、という
イ:それで建てて、セットができると
(画面はショコラヴィの厨房の調理器具がぶらさがった窓側のスケッチ)
坪:ここは中の調理をするスペースですね。厨房のほうなんですけど、これも監督のオーダーで“厨房のほうに関しては あんまり絵にならない”、ようは厨房の機器が乱雑になるという常套になるので、ここも監督のオーダーが
”松本さんの背景には、やっぱり光を射しこみたい“
”幻想的な、ファンタジーな雰囲気にしたい“というのがあったので、ちょっと斜め勾配をつけてここにもステンドグラスをいれたりとか、通常では絶対ありえないような構成を。
松:つまり、チョコを作るときにどうしても顔が、目線が下がるので、そのときのお顔を撮るとどうしてもこう・・バックが窓にならないで、壁や天井とかになっちゃうんで、やはりさっきの家みたいに多少こう・・斜めの窓をつけておくと、アップを撮ったときもちゃんとバックに太陽の明かりがきて、逆光っぽいお顔が撮れるという
西:松本さんとかはどんな反応だったんですか?
松:やっぱりセットを作ったときはたぶん「きれい、きれい」と言って。
西:へえぇ~
松:まぁたぶん、その~そこを中心に創ってるとは考えらてないとは思いますけれど(照)
坪:あの、松山監督は演者さんのポジションを完全にもう最初決めちゃって、背景がどうなるのかっていうのをすごく話をするんですよ。
そこに集約して、主役が目立つ方向性・ファンタジー感を創ろう、っていうのを結構話をしました。最初の段階で
イ:これが詳細ですね、こうやって図面で
坪:これは図面ですね、これを形にするための、構造化発注するための図面になります
これが初期のボネールの、僕のほんとの最初のコンセプトに近かったやつですね
これはショコラヴィですね
イ:(画面をみながら)・・完成していくわけですね
坪:はい、こんな流れでセットが作られていくと
松:これなんかも、いま結構スタジオのは(濃い)ピンクで。これもやっぱりもともと、最初濃くしようと思ってたのを、やっぱり色つけて薄くしようと思って。
で実は撮影したらやっぱり明るすぎちゃって、明かりが目立たなくなってしまって、それでこのピンクも1回撮影をした後にかなり濃くなっていて。
あと梁だっけ?
坪:はい、梁の色がもともとグレーの、コンクリートの梁のイメージだったんですけれども、ここはもう木工のイメージで(カメラ)まわそうよって話をして、
これすることによって窓が際立つようになって、光の射し込みが綺麗にでるようになった、ということですね
松:梁の色もちがったんだっけ?じつは・・一話の中で、微妙にみると、微妙なところがやり直してたりするので・・
イ:一話と二話が違って?
西:へえー
松:色味が違ったりとか、梁の高さも撮影してみたらちょっと低すぎて結構邪魔になったので、ちょっとあげちゃえって、たぶんの○○のときでしょ?
坪:建築構造上ここに梁があるっておかしいんですよね、絶対。だからふつうは渡してる部分に梁がきてたんですけど、ローアングルで中二階のカフェスペース作ったんです、らせん階段。そこが・・切っちゃうんです、全部(アングルをかな?)そこが全部もったいのいので、(建築上)うそついてあげちゃおうよって
イ:統制したってこと?
西:回が進むうちにそういうこともあるんですね
坪:ほんとはだめなんですけどね((;´∀`)
イ:そうだよね、一話と二話の間に改装するわけだから
松:一話と二話で、というより一話のなかで・・・(;^ω^)
坪:監督がいけっていったので、ここだけの話
西:ここだけの話ということですね
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<実際に撮ってみてこだわりある映像を撮るためにいろいろ工夫してる結果ですね!
あと、終始松山監督は“明かり”、坪田デザイナーは“光”と言っていたのが印象的でした
映像と建築のプロの違いなのかな?>
最後に幸運にも質問をさせていただきました。
あと西山アナが最後も質問してくれた質問の松山監督の言葉が興味深かったので記録しておきました。
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胡:失恋ショコラティエいつも楽しく見させて頂いてます。スタジオのセットが多いということですが、どこを使われてるんでしょうか?
監:どのシーンが、いうことですか?
今作ってるはショコラヴィ、爽太の家、リビング、寝室、あとえれなのマンション。
坪:あと今日、いま新規で建ててるですけどショコラヴィの2階に部屋が有るんです、休憩室的なものが
胡:あ、雑誌で拝見しました
坪:あ、そうですね、インタビューで
監:それとあとはもう壊しちゃいましたけど、最初のフランスのボネール
坪:さらに最初トキオってお父さんがやってたケーキ屋さんてわかります?
監:あ、でもあれはこれを作り替えた…実際は台本上も(ショコラヴィは)改築した設定なので、枠組み、骨組みは同んなじで置いてるものであったり壁の色だったりを変えて、まぁちょっと拡張したりしてます
坪:リクドーというのもロケなんですけど、ほぼセット飾りをうちでしてる感じですね
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西:普段から、どんなことを求め情報を集めてますか、一番インスピレーションを感じる場面は、価値観はなんですか
松:映画みたり音楽を聴いたりお芝居みたときに、面白とか悲しいといった感情をもつじゃないですか。でその時にかならず、いまなぜその感情をもったかを分析するようにして、記憶するようにしています。
いま映画にでてたこの人・・、僕はいまこの女性に感情移入したとか、この人と共通するとこがあるからこういう感情を持ったんだとか、なるべく総量を・・言い方悪いですけどデータ化して自分で咀嚼することによって、つぎ台本作ったりするときに観てる人が感動できるんだ、という意外と理屈づけ、理屈づけ・・、感情を理屈にコネクションできるような・・風に心がけてます。