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-姉妹の絆10-
姉は姉なりに、
考えてGへの手紙を
書いていたらしいのよ?
相手には、多くペンフレンドが
いるかも知れない?
と……考えた姉のLは、
持ち前の頭の良さを使って、
普通には書かないだろうと
思われる返事の仕方を
してそうよ?
でないと、
返事すら来ない可能性が
大だったからなの。
まあ、そうよね!
『ごきげんよう』……
なんて返事では、
おもしろくない事は
確かだものね?
そこで、姉は考えぬいて
返事の文面を書いた訳よ!
別に、
姉も期待していた訳では
ないみたい?
ただ、せっかく書くのだから
1回くらいは返事が欲しいと
思ったからの戦略だったのよ。
でもね!
それが成功して、
姉は、青い手紙を手にしたわけ?
見事にね!?
その文章とは……?
じゃー、また、明日ね?
皆さん?!
続きはまた、次回ですよ?
ウフ♡
-姉妹の絆9-
当時、姉のLは17歳。
私は、15歳だけど、
男の子にはモテる方だったのよ。
だから、
姉は、友達にも打ち明けられない
恋の話や悩みを、私に語り始めたの。
もち、初めは、
うまく気持ちの整理ができなかった姉は、
家族、皆にひた隠しにしていたわ。
でも、バレバレなのは、
家族ごと、わかっていたけどね?
珍しく男の子から手紙が届く
姉の笑顔を見ていれば、
誰もが聞くに聞けないほどの
奇跡に想えていたからよ。
両親も、いちおは、心配していたけど、
日々の生活に追われる方が、
大変だったみたい?
だから、
姉の事は、ほとんど放置状態だったの。
だって、
姉は、我が家が自慢するほどの
しっかり者で、成績だって良い方
だったもの。
そんな姉でも、
初恋は、さすがに迷ったらしく、
恋愛慣れしている私が、相談役に
選ばれる事は、初めから
予想できていた事だったのよ。
故に、
姉の恋話を聞き始めた頃は、
なんの驚きも、私にはなかったの。
『どうせ、大した男でもないだろう?』
と……私は、密かに想っていたからね。
相手の名前は、『G』?
すごく遠くに住む男で、
19歳だと言うのよ。
大学生になったばかりだと、
姉は、恥ずかしそうに言っていたわ。
私は、姉の話を詳しく聞く前に、
そもそも、なぜ、文通などを
始めたのか?
その動機から、姉に聞く事にしたの。
我が一番、不思議に想っていた事だったからよ。
ところが、
姉の返事は意外すぎたものだったの。
姉は言ったわ!
「それは……多分、会えない人だから……」
「はあ?」
私は、思わず、姉の顔を見て、
驚いた苦笑を返していたわ。
そして、始まったのよ!
世にも可憐で、激しい姉の
恋の物語が……ね?
じゃー、また、明日ね?
皆さん?!
続きはまた、次回ですよ?
ウフ♡
-姉妹の絆8-
姉の恋愛と言えば、
ほとんどが片思いだったの。
外見が地味だったせいや、
性格の暗さもあいまって
姉は、
好きな人ができても、
それを告白するような乙女では
なかったのよ。
妹の私から見ても、
姉はひっこみじあんで、
人に意見するようねタイプで
はなかったし、
学校でも、友達は少ない方
だったのよね?
だから、
私が無理矢理、遊びに誘ったり、
先輩の中から、姉にお似合いの
相手を探しては、
進めていたぐらいなの。
でも、決まって、
姉は、恋と言えるほど、
熱くもならず、
ただ、ぼんやりと見るだけの
片思いの方を好んでいたのよ?
多分、
恋愛に夢を持つ女の子では
なかったのだと想うわ!
そんな姉が、
初めてマジになった恋?
それが、
青い手紙の彼である
『G』だったのよね?
私の不安は、
やさしい姉が傷つく恐れだったのよ。
だって、
相手の正体が、まるでわからない
「文通フレンド」だったからよ!
私は、それでも待つ事にしていたの。
姉のLが、
私に相手の事を話してくれる時まで、
何も聞かずにいたのよね。
どうせ、聞いても、
恥ずかしがって言うはずもない
姉だったからよ。
そして、
ついに、そんな日が来たのよ!
姉のLが、語る初恋の話が、
私の予想以上の奇跡を背負って、
やって来る日がね?
じゃー、またね?
皆さん?!
続きは、次回ですよ?
ウフ♡
-姉妹の絆7-
姉のLと謎の男『G』との
文通交換は、
想像以上に多かったの?
姉も初めは、
ほんの冗談のつもりで
書いた手紙だったみたい?
当時は、
まだまだ、携帯は高価で、
貧乏なうちには、
持てないしろものだったから
姉とGは、
「文通フレンド」として
仲良くなって行く他なかったのよ。
今では、
信じられないような事だけど、
当時の私達には、
手紙を出す事が、ごく普通な
交流方法だったのよね。
インターネットも誕生した
ばかりの頃だったからね?
もちろん、
姉も、返事は期待していなかったのだけど、
Gと名乗る彼は、
すぐに返事を姉に送っていたのよね?
好きなアニメの話で盛り上がるふたりが
親密になるには、
そんなに時間はかかれなかったそうよ?
こうして、
私も知らない内に、
姉のLとGは、どんどんと仲が良くなって
行ったのよ。
私の心配など、姉は感じる余裕すらない
ほどに、Gの事が大切に想えて行くのよね?
「乙女心」と言うものは……ね?
青い手紙は、
毎週のようにやって来ては、
姉を少しずつ変えて行ったのよ?
恋多き妹の私に、
相談したくなるほど、ふたりの心は
強く結ばれ始めて行く?
私は、心配でしかたなかったわ。
だって、
姉は、恋の経験など、
ないに等しい女だったもの?
「恋は盲目」よね!
だからこそ、美しいくはあるのだけど……?
じゃー、また、明日ね?
皆さん?!
続きはまた、次回ですよ?
ウフ♡
-姉妹の絆6-
お下げで、黒髪を長くしていた姉
Lの初恋は、
偶然に買い求めたアニメ雑誌から
始まったのよ?
姉は昔から、
大のアニメ好きで、
当時、流行っていた
Wガンダムやハガレンが
大好きだったのね。
その関係で、
日頃は買う事もない
アニメ専門雑誌を買って
喜んでいたみたいなの。
もとより、
友人の少なかった姉は、
もち、
男の子の友達もいなくて、
恋愛とは、ほど遠い存在だと
自分でも言っていたのよ。
両親が、お金の事でよく
言い争いをしていたせいもあって、
結婚とかには、全然、
関心がもてない私達、
姉妹だったのね。
でも、パパとママも、
別れるほどに仲が悪い訳でも
なかったのよ。
だから、愛の不思議さに姉は、
いつも、疑問を持つ奇妙な性格の
持ち主だったのね。
そんな姉が、フッと雑誌を見ていて、
ある記事に目を止めたのよ!
「ペンフレンド募集」の
ささやかな記事だったの。
しかも、折り目の間にある、
読み難い所に、
『Wとハガレン好きの友達、望む!』
の記事があったらしいのね?
姉はしばらく考えて、
その人に手紙を書く事にしたのよ?
ひ弱な姉にしては、
一代決心だったと、私は思うわ!
こうして、
あの青い封筒の彼、
『G』が誕生した
と言う話なのよ?
初め、私は冗談だと思ったけれど、
青い封筒を抱きしめる
赤面気味の顔をした姉を見て、
それが、真実だと知ったのよ。
私は、正直、不安に感じていたの。
無垢な姉には、不似合いな相手ではないかと?
私の軽い嫉妬だったのかも……知れないけどね?
じゃー、また、明日ね?
皆さん?!
良い日をお過ごしください?
ウフ♡