鎌倉光明寺 三尊五祖の庭
鎌倉光明寺 如意輪観音
鎌倉光明寺の如意輪観音に会いたくなって、鎌倉駅からバスに乗り光明寺バス停下車、鎌倉最大の山門で一礼。お寺を訪ねるときの最初の儀式である。
本堂にあがらせていただき、まずは阿弥陀三尊の前で般若心経を唱える。黄金色に輝く須弥壇の奥に鎮座される阿弥陀如来の眼が、わが心を動かす。仏との対峙の時間は、脆弱な己の心を曝け出すときである。アルコールに依存して怠惰な日々を過ごす己を戒めるものの、阿弥陀さんは叱り飛ばすことはない。
秋の陽射しの向こう側に、枯山水の石庭がある。上の写真ではよく見えないが、奥の三石が阿弥陀三尊(阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩)を表し、手前の五石が浄土五祖(釈迦・善導・法然・鎮西・記主)を表すのだそうだ。植えられているサツキは煩悩具足の衆生を表し、「敷石」は紫雲を表しているという。先人の尊い教えを立体自然界として表しているのである。しばらくの間、禅の心に浸って見ていると気持ちがとても安らいできた。
如意輪観音さんは梵語名をチンターマニチャクラといい、ご真言はオン バラダ ハンドメイ ウン。梵語名のチンタは『願望』を意味し、マニは『宝珠』を指す。チャクラは『円』で如意宝珠法輪を意味する。これを略して如意輪。人々を苦悩から救い、その願いをかなえてくれると言う。
今の季節、華やかなものは何もないが、真っ青な空の青と葉をすべて落とした木々のコラボレーションが妙に美しい。光明寺を出てすぐの材木座海岸に出ると、陽光に輝く湘南の海いっぱいにウィンドサーフィンの影が踊っていた。それから補陀洛寺と九品寺を訪ね、鎌倉駅までのんびり散策、秋の鎌倉路を楽しんだ。24/11/10