今日は新幹線で浜松へ帰省する。小雨模様だが浜松へ到着する頃は雨も上がっていることだろう。
帰省という言葉はもう古いのかもしれない。横浜から浜松という距離からしても新幹線で1時間ちょっとだし、1~2ケ月毎に兄貴のところに行ってるので、「故郷へ帰る」いわゆる帰省などという郷愁めいた感情など湧かない。
親は疾うに亡くなっているし、兄弟5人中3人亡くなっていて、残るは3歳年上の兄と私だけが残っている。兄は6年前に末っ子の弟が急死してからは、横浜の私に毎月のように帰ってきて飲もうという。
私も兄の気持ちと同様で、一緒に呑んで昔話をして互いの健康などについて話をすることが多くなった。そして時々実家へ立ち寄ったり、菩提寺や弟の墓参り、同級生との再会、浜松周辺のお寺巡りなどして結構故郷の束の間の生活を楽しんでいる。
兄は今年78歳になり、起業した和食の大衆割烹も息子に譲って悠々自適の生活をしているが、近頃は実家の菩提寺に墓所を購入したこともあって、生きてるうちに自分の墓を見ておきたいと、来月下旬に生前墓が完成するという。
私も今春、47年ぶりに富士霊園の亡き妻の墓石等を天然の御影石に変えたばかりで、兄弟揃って墓の話で終始した年であった。墓など必要ないという風潮もあるが、信心とは不思議なもので、心の中で拝む気持ちだけでは物足りない部分もある。
私の仏像写真のテーマに、「信仰のかたち」「祈りの情景」というのがある。墓石も「信仰のかたち」で、鎌倉時代に流行った「五輪塔」もその一種、下から地・水・火・風・空の順で積み上げられている。「五輪塔」は鎌倉や高野山をはじめ、全国の寺社にたくさん見られる。
さあ、これから浜松へ出かけるとしよう。事業に成功した兄のおかげで、高級店での美味しい料理と酒が楽しめる。
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