珈琲の味

今月14日までの約1ケ月、仏像写真を展示させていただいた喫茶「珈琲園」に立ち寄る。壁面にはママさん手書きの鯉のぼりが展示されていた。ずいぶん年数が経っているようだが、なかなかの出来栄えである。おそらくこの喫茶店を継いでいる息子さんのために作ったものだろう。

ここでの私はブレンドでなく、ストレート珈琲を愛飲している。今日は「マンデリンG1」にした。酸味をおさえたコクのある味である。バイオリン協奏曲がBGMから流れている。平日の昼のひと時をゆるりと過ごす。久しぶりにハチの家文学館のノートを開く。旅先は勿論、通勤していた頃電車の中やドトールコーヒーで書いたノートである。今日は旅の思い出を頭に描きながら、仏の俳句とハチ俳句をいくつか書き上げた。詩も俳句もエッセイも、机上でなかなか書けるものではないが、まだまだ記憶は衰えていない。

ママさんが店に出てきて、私とすっかり話し込んでしまった。ここに来て２時間も経つ。さっき歯医者へ行くカミサンを駅まで送ったのだが、もう迎えの時間になっていた。ママさんが本場のウーロン茶をごちそうしてくれた。常連でもないのに気持がうれしかった。
花粉症も治まり、花いっぱいの美しく暖かい季節がやってきた。ボクの感性が甦るような原風景探しの旅に出たいと思う。 22/4/27