塩バターラーメン(¥750)
高倉健が初めて松竹で撮った「幸せの黄色いハンカチ」の冒頭で武田鉄矢(映画初演)が
「足が短い」という理由で、彼女に振られ、ヤケになって会社を辞め、退職金で買った
「赤いファミリア323」で北海道旅行に出かけるシーンをリアルに観た年代(1977年、公開)の私ですが
いま、改めて「グルメ的考察」で観てみると、健さんが出所直後に網走駅前の
食堂に入り、出てきたビールを両の手で包み込むように持って呑む、あのシーンがとても
印象に残っています。
で、この時、ビールと共に頼んだのは「醤油ラーメン」と「かつ丼」でしたが、この場合
「うどん」では健さんの「本来の若さ」が表現出来ません、やはり、力みなぎる働き盛りの
男性に似合うのは「ラーメン」しか無いのです。
武田鉄矢、扮する欣ちゃんに『叔父さん』と呼ばれて『叔父さんは、やめろや、苦労して歳は
取ったが、本当はもう少し若いんや』と言う台詞ともリンクしているシーンですね。
因みに此の映画は、これまで、何度かテレビドラマ化されていますが、今秋、日本テレビでは
阿部寛が健さん役でリメイクされるようです。
さて、いま、話題の「いごっそらーめん店長」ですが、
高知市内の東の端からでも片道50km、往復100km=10L=¥1,500のガソリン代を考えると
そんなに再々は無理ですが、安芸、室戸方面を観光なさる折に、時間が合えば夕方でも
立ち寄ってみるというのは、アリだと思います。
そんな次第で、並んでまで、食べる値打ちがどうのこうのは、野暮ですなあ。
これからの季節、並ぶのも一つの楽しみでしょう、並んだ先に「ささやかな幸せ」が待って
いるかもという期待感がありますし、都会の街角に並ぶのと違って此処は「空気も美味しい」
それが、この店の+α的なところでもありますね。
味的に、私の感想を述べるならば、間違い無く「塩ラーメン」では高知県では、他に類を見ない
美味しさでしょう、量が多い(器も大きい)ので、ゆっくりデフォルトの味を楽しんだ後、徐に
「特製柚子胡椒」を投入しますと「ピリっ」と刺激的で爽やかなスープに変身します。
ご覧の通り「葱ダク」なので、どうしても葱が入ってきて、スープだけの味を確認するのに苦労します
モヤシも大量なので、麺と一緒に食べることしか出来ないのが難点といえば、難点かな。
帰りの車中で荒井由美の「ベルベットイースター」を聞きながら、唇に残る、先程食べた
ラーメンの味を、思い返してみると「とても優しい味なんだなあ」と思いました。
--shop data--
店名:いごっそらーめん店長
所在:高知県安芸郡北川村大字野友乙
電話:固定無し
営業:(昼)11:30~14:30(夜)17:00~20:00
定休:毎週・月・金(祭日の場合は営業、翌日休み)
往復3時間の道のりを8回ほど通っています
何も言わなくても、親父さんが大盛りにしてくれますw
親父さんは柚子胡椒を入れることを勧めますが、
私はラー油のほうが塩ラーメンにはあうと思います