医療の犯罪 1000人の医師の証言 - 序章 医学的側面から 25P
医学的側面から
これについては、言葉を費やすまでもないだろう。
本書は、生体解剖の科学的あるいは医学的実効性をはっきりと、もしくは間接的に否定している医師や研究者の名前および意見を集めたものである。
この問題については、少なくとも、さまざまな議論がある。
しかし、動物をモデルにした実験を有効だとする人々がすべて、たんに病的な自己満足や金銭的利益のためにそう主張しているのなら、もはや議論の余地はなく、おおいに話は分かりやすい。
いくつか例をあげてみよう。
近代外科の大家、ローマン・テイトは次のように言っている。
科学的研究としての生体解剖の立場は、無限にある自然の秘密解明の方法の中で孤立しており、一見したところ、強い反対にさらされている。
誰も天文学者、化学者、電気技師あるいは地質学者の研究、作業方法に意義を唱える者はいない。
彼らの成果の相対的確かさは他の分野の研究者もおおいに賞賛している。
しかしながら、いきている動物をもとに研究している生理学者に対しては、二つの強い異論がある。
一つは、大衆に強く、広く浸透している感情を逆なでしていること、もう一つは、彼らの述べる成果が非常に不確実で、しばしば大変な矛盾に満ちていることである。
1988年、シカゴ大学のロバート・S・メンデルスゾン教授は、彼の最新の医学通信『The People’s Doctor』(4-12号)で次のように述べている。
医師たちは近代医学を“厳密さを欠いた科学”と呼ぶ傾向があるが、より正確に言えば、近代医学には実質的なところ、いかなる科学も存在しない、と言うべきである。
医師たちのすることはほとんどすべてが憶測、推量、臨床的印象、気まぐれ、願望、希望、個人的意見もしくは信仰に基づいている。
約言すれば、彼らのすることは、堅固な科学的証拠を欠いた何ものかに基礎を置いている。
かくて医学はまったく科学ではなく、信仰の体系である。
信仰はすべての宗教がもつものであり、それには「近代医学という宗教」も含まれるのである。
メンデルスゾン教授は、その著書、論考、時事解説、会議およびテレビ出演で、一般大衆向けに<近代医学>の有害な影響を弾効してきたが、それはクローチェ教授が定義する動物研究の“間違った方法論”におおかた帰することができる。
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