フォアグラを使うなんて! BBCの人気料理番組に苦情殺到
英公共放送「BBC」の人気料理番組でフォアグラが使用され、視聴者から多くの苦情が寄せられているという。
「デイリー・メール」紙が伝えた。
フランス料理の珍味として知られるフォアグラは、強制的に飼料を与えて太らせたカモやガチョウの肝で作られるため、動物虐待とみなされ、英国ではその生産が禁止されている。
BBC2で放送中の『The Great British Menu』は、英国を代表するシェフたちが、特別なイベントで料理を提供する機会をめぐって腕を競う、7シーズン目を迎える人気番組。
今回の優勝者がシェフとして参加するイベントは、ロンドン五輪を記念する晩餐会。スティーヴ・レッドグレーブ卿が進行役を務める予定という。
ところが、200万人以上が視聴したという、5月7日に放送された番組内で、北西地区代表の座を争うシェフ2人がフォアグラを使用。
ジョニー・マウンテンさんがフォアグラのアイスクリームを、対するエイダン・バーンさんはブラック・チェリーとフォアグラのテリーヌをスターターとして調理し、論議を呼んでいる。
BBCはこの番組の放送後、400件以上の苦情を受け取ったとされる。
動物の権利保護を訴える活動家たちは、BBCを非難し、番組内でフォアグラを使用することを禁止するよう求めているという。
また、動物のチャリティ団体「Viva」は、BBCに苦情を送るよう、支持者に呼びかけているとされる。
なお、英国内でのフォアグラの生産は禁止されているが、国外からの輸入は認められている。
BBCは、フォアグラを番組内で使用したことに関し、「合法で入手も容易、多くの人に好まれている食材」と弁明している。
ジャーニーOnLine 2012年 5月16日(水曜日) 18:00
「私たちは法律に違反していなければ残酷な事でも平気なんです」
って言ってるのと同じ。
日本ではすさまじい豚の虐待が発覚した伊藤ハムに抗議が殺到してるが、ジャーナリズムよりも広告収入を重要視する日本のメディアは伝えようとしない。
フォアグラの拷問① 食べる前に知ってください。 Foie Gras
http://youtu.be/8XffX6qB9CI
フォアグラ(仏: foie gras)は、世界三大珍味として有名な食材。ガチョウや鴨などに必要以上にエサを与えることにより、脂肪肝を人工的に作り出したものである。 カモは渡りを行う場合、予め肝臓に脂肪を蓄えて、脂肪肝になる性質がある。
フランス語で「フォア(foie)」は「肝臓」を、「グラ(gras)」は「脂の多い、肥大した、太った」を意味する。即ち、「フォア・グラ」は「脂肪肝」と訳せる。ただし、疾患としての「脂肪肝」はフランス語では「stéatohépatite」である。
フォアグラの生産は強制給餌(ガヴァージュ 仏: gavage / 英: force-feeding)を伴うため、動物虐待に当たるとして生産や販売を禁止する動きが広がっている。
歴史
古代ローマ人が、干しイチジクをガチョウに与えて飼育し、その肝臓を食べたのが始まりと言われる。大プリニウスの『博物誌』によると、古代ローマでは、ガリアからもたらされたガチョウに強制肥育を施して、食材としていたことが記録されている。これにある美食家がさらに工夫を加えて、無花果で肥育させた上に、肥大した肝臓を蜂蜜入りの牛乳に浸して調理する技法を発案したと伝えられている。
ローマ帝国崩壊後にこれらの技法はいったん衰退したが、徐々に復活し、ルネサンス期にはフォアグラ生産業が定着して、食材として認知されるようになった。フランス革命前までは、フォアグラの製造にはガチョウだけではなくニワトリなども用いられたが、19世紀になると、ガチョウがフォアグラの素材の定番として定着した。ガチョウは牧草などの粗食で大きく育つため、あまり地味の豊かでない土地で多く飼育され、またそうした地方には17世紀に新大陸からトウモロコシが導入されて、農業生産がようやく向上した。後述のような今日のフランスの主要フォアグラ産地は、このような地理的、歴史的条件を背景とし、ガチョウ飼育農業とトウモロコシの出会いの上に成立したのである。今日ではガチョウ以外に鴨のフォアグラも作られており、野生的な味がガチョウのものと異なるものとして評価されているが、火を通したときに溶けやすいこともあって、料理法の許容範囲はガチョウのものほど広くはない。なお、ここでいう「鴨」とは野生のマガモを家禽化したアヒルのことであるが、フランス料理用語としては野生のカモと家禽のアヒルを訳し分けない慣行であるため、以後も「鴨」の表記を用いる。
製法
強制給餌の様子。
今日フランスでフォアグラ用に供されるガチョウは「Oie de Toulouse(オワ・ド・トゥールーズ、トゥールーズのガチョウの意)」などの大型品種で、初夏に生まれた雛を野外の囲い地で牧草を餌に十分運動させて育て、基礎体力を付けさせる。夏を越して秋になると狭い場所に閉じ込めて運動できないようにし、消化がよいように柔らかくなるまで蒸したトウモロコシを、漏斗(ガヴール)で強制的に胃に詰め込む強制給餌(ガヴァージュ)を1日に3回繰り返す。これを1ヶ月続けると、脂肪肝になった肝臓は2kgに達するほどに肥大し、頭部と胴体を水平にする姿勢しかとれなくなるに至る。この段階のガチョウをしめて肝臓を取り出し、余分な脂肪、血管、神経などを丁寧に除いてから、冷水に浸して身を締めたものがフォアグラである。
鴨の場合、ガチョウにはない素嚢(そのう)と呼ばれる食道にある袋のような器官に餌が多量に入っていると、消化の速度が上がるという特性を持っている。そのため、人の手によるガヴァージュを行う前に10日間ほど好きなだけ餌を食べさせるプレガヴァージュを行い、効率よくガヴァージュを進める。給餌は一日2回で、期間は3週間である。また、近年では機械化された飼育場ですりつぶしたトウモロコシを自動的に与え、2週間ほどでガヴァージュを終わらせる速成法もあるが、素嚢でトウモロコシが発酵してしまうため、フォアグラの質は劣る。
フォアグラを取り出した残りの部分は、肥育によって多量の脂肪が蓄積されている。産地ではこのことを利用して、ガチョウ自身の脂肪で残った肉を油煮にして保存食料のコンフィを作る。フランスの地方料理は多用する油脂の種類で特徴付けられ、例えばノルマンディーやブルターニュ地方はバター文化圏、イル・ド・フランス地方はラード文化圏であるが、フォアグラの主要な産地のひとつであるラングドック地方はガチョウ脂肪文化圏に属している。
産地
主な産地はフランス。世界のフォアグラの生産量は西暦2000年で約1万8000トンだが、そのうちフランス産は1万5300トンにも及んだ。フランス国内では、南西部のペリゴール地方(現ドルドーニュ県)とランド県が主産地で、ガチョウと鴨の両方のフォアグラが生産されている。南西部全体での生産量は、フランスの生産量の75%を占める。また、アルザス地方のストラスブールやラングドック地方のトゥールーズも、産地としてよく知られている。不足分は、オーストリアなどからの輸入品でまかなわれている。
ガチョウよりも鴨の方が飼育が楽で、病気にも強いことから、今日では鴨のフォアグラの生産量は増加傾向である。
ハンガリーのドナウ川西岸(ドゥナーントゥール、Dunántúl)でも昔からフォアグラの生産が行われており、輸出も盛んである。
世界の生産量
調理前のフォアグラ。
2004年のフォアグラ総生産量は23,670トンであった。
以下、2004年のデータ
フランスの旗 フランス : 18,000トン
ハンガリーの旗 ハンガリー : 2,600トン
ブルガリアの旗 ブルガリア : 2,000トン
イスラエルの旗 イスラエル : 500トン (2005年以降生産は禁止されている)
スペインの旗 スペイン : 500トン
その他 : 570トン
調理法
フォアグラのソテー。
パテに加工し甘めの柔らかいパンに塗って食べるか、ソテーして食べるのが一般的だが、トリュフ入りのパイ包み焼きのような、パイ料理の素材としてもよく使われる。フォアグラとトリュフを乗せて焼いたステーキは、ロッシーニ風トゥルヌドステーキと呼ばれる。フランスでは、伝統的にソーテルヌなど甘口のワインと合わせる。
フランス人の多くにとってはクリスマスや新年前夜の晩餐(レヴェヨン、réveillon)などでしか口にすることのない珍味であるが、近年になって生産量が増加したため珍しさは薄れてきている。中には一年中フォアグラを賞味する地域もある。
動物虐待論
上記のように、ガチョウ(鴨)に飼料を大量に無理矢理食べさせて脂肪肝を発症するまで肥大させることで製造することから、古くから不自然な食材としてこれを否定的にみる議論も見られた。例えば、昆虫学者のファーブルも、嫌って食べなかったことが伝えられている。
今日ではアニマルライツ(動物の権利)論の高まりなどもあり、PETAなどの動物愛護団体は動物虐待であるとして反発している。
各国の法規制の動き
欧州
欧州評議会の「農業目的で保持される動物の保護に関する欧州条約」加盟国35カ国では、フォアグラの生産は「すでに定着している場合を除き」、1999年に禁止された。
イタリア、オーストリアの6州、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、ルクセンブルクの各国では、「動物の強制給餌」自体が禁止されたことにより、フォアグラの生産は事実上、違法となった。(ただし、外国産フォアグラの販売は必ずしも禁止されていない)。また、アイルランド、イギリス、スウェーデン、オランダ、スイスでも、動物保護法の解釈上、フォアグラの生産は違法とされている。
2000年度の世界生産量18,000トンの内、15,300トンがフランスで生産され、現在はほぼフランス一国で生産している状況である。2005年10月、フランスの国民議会が農業政策に関する包括法の一部として、フォアグラは仏文化の遺産であるとした法案を全会一致で可決した。その際、フランスが世界でフォアグラの80%以上を生産していることを指摘し、保護すべき仏文化、料理の貴重な遺産であると宣言。カモやガチョウの強制肥育についても、他に方法はなく止むを得ないとして、擁護する姿勢を鮮明にした。
アメリカ合衆国
2004年9月29日、アメリカ・カリフォルニア州は、州内で「肝臓肥大を目的とした鳥類の強制給餌」と「強制給餌によって作られた製品の販売」を2012年以降禁止する法律を施行した。
また2006年4月には、イリノイ州シカゴに於いてのフォアグラの販売が、市議会の決議によって全面的に禁止された。しかしこの条例制定後、すぐに地元レストランのシェフらから猛反発を受け、訴訟にまで発展した。さらにデイリー市長も「シカゴ市を国中の物笑いの種にするようなもの」などとこき下ろし、撤廃を訴えていた。そして当時48対1の圧倒的多数で可決した同条例は、2008年5月、市議会で何の審議も行われず37対6で廃止が決まり、制定後わずか2年でお払い箱となった。
その他
アルゼンチンでは、フォアグラの生産は動物虐待に当たるとして、禁止されている。
イスラエルでは、2003年8月に最高裁が農林水産省に対しガチョウの強制給餌を禁止するよう指示し、2006年2月以降禁止された。
その他の動き
機内食からフォアグラを排除した主要航空会社の例としては以下が挙げられる。
スカンジナビア航空
KLMオランダ航空
エア・カナダ
デルタ航空
ユナイテッド航空
アメリカン航空
ニュージーランド航空
2007年3月、アカデミー賞公式シェフのウルフギャング・パックは、動物愛護の観点上、自身の経営するレストランチェーンやカフェに於いてフォアグラを使用した料理は提供しないことを宣言した。
2012/5/31
英公共放送「BBC」の人気料理番組でフォアグラが使用され、視聴者から多くの苦情が寄せられているという。
「デイリー・メール」紙が伝えた。
フランス料理の珍味として知られるフォアグラは、強制的に飼料を与えて太らせたカモやガチョウの肝で作られるため、動物虐待とみなされ、英国ではその生産が禁止されている。
BBC2で放送中の『The Great British Menu』は、英国を代表するシェフたちが、特別なイベントで料理を提供する機会をめぐって腕を競う、7シーズン目を迎える人気番組。
今回の優勝者がシェフとして参加するイベントは、ロンドン五輪を記念する晩餐会。スティーヴ・レッドグレーブ卿が進行役を務める予定という。
ところが、200万人以上が視聴したという、5月7日に放送された番組内で、北西地区代表の座を争うシェフ2人がフォアグラを使用。
ジョニー・マウンテンさんがフォアグラのアイスクリームを、対するエイダン・バーンさんはブラック・チェリーとフォアグラのテリーヌをスターターとして調理し、論議を呼んでいる。
BBCはこの番組の放送後、400件以上の苦情を受け取ったとされる。
動物の権利保護を訴える活動家たちは、BBCを非難し、番組内でフォアグラを使用することを禁止するよう求めているという。
また、動物のチャリティ団体「Viva」は、BBCに苦情を送るよう、支持者に呼びかけているとされる。
なお、英国内でのフォアグラの生産は禁止されているが、国外からの輸入は認められている。
BBCは、フォアグラを番組内で使用したことに関し、「合法で入手も容易、多くの人に好まれている食材」と弁明している。
ジャーニーOnLine 2012年 5月16日(水曜日) 18:00
「私たちは法律に違反していなければ残酷な事でも平気なんです」
って言ってるのと同じ。
日本ではすさまじい豚の虐待が発覚した伊藤ハムに抗議が殺到してるが、ジャーナリズムよりも広告収入を重要視する日本のメディアは伝えようとしない。
フォアグラの拷問① 食べる前に知ってください。 Foie Gras
http://youtu.be/8XffX6qB9CI
フォアグラ(仏: foie gras)は、世界三大珍味として有名な食材。ガチョウや鴨などに必要以上にエサを与えることにより、脂肪肝を人工的に作り出したものである。 カモは渡りを行う場合、予め肝臓に脂肪を蓄えて、脂肪肝になる性質がある。
フランス語で「フォア(foie)」は「肝臓」を、「グラ(gras)」は「脂の多い、肥大した、太った」を意味する。即ち、「フォア・グラ」は「脂肪肝」と訳せる。ただし、疾患としての「脂肪肝」はフランス語では「stéatohépatite」である。
フォアグラの生産は強制給餌(ガヴァージュ 仏: gavage / 英: force-feeding)を伴うため、動物虐待に当たるとして生産や販売を禁止する動きが広がっている。
歴史
古代ローマ人が、干しイチジクをガチョウに与えて飼育し、その肝臓を食べたのが始まりと言われる。大プリニウスの『博物誌』によると、古代ローマでは、ガリアからもたらされたガチョウに強制肥育を施して、食材としていたことが記録されている。これにある美食家がさらに工夫を加えて、無花果で肥育させた上に、肥大した肝臓を蜂蜜入りの牛乳に浸して調理する技法を発案したと伝えられている。
ローマ帝国崩壊後にこれらの技法はいったん衰退したが、徐々に復活し、ルネサンス期にはフォアグラ生産業が定着して、食材として認知されるようになった。フランス革命前までは、フォアグラの製造にはガチョウだけではなくニワトリなども用いられたが、19世紀になると、ガチョウがフォアグラの素材の定番として定着した。ガチョウは牧草などの粗食で大きく育つため、あまり地味の豊かでない土地で多く飼育され、またそうした地方には17世紀に新大陸からトウモロコシが導入されて、農業生産がようやく向上した。後述のような今日のフランスの主要フォアグラ産地は、このような地理的、歴史的条件を背景とし、ガチョウ飼育農業とトウモロコシの出会いの上に成立したのである。今日ではガチョウ以外に鴨のフォアグラも作られており、野生的な味がガチョウのものと異なるものとして評価されているが、火を通したときに溶けやすいこともあって、料理法の許容範囲はガチョウのものほど広くはない。なお、ここでいう「鴨」とは野生のマガモを家禽化したアヒルのことであるが、フランス料理用語としては野生のカモと家禽のアヒルを訳し分けない慣行であるため、以後も「鴨」の表記を用いる。
製法
強制給餌の様子。
今日フランスでフォアグラ用に供されるガチョウは「Oie de Toulouse(オワ・ド・トゥールーズ、トゥールーズのガチョウの意)」などの大型品種で、初夏に生まれた雛を野外の囲い地で牧草を餌に十分運動させて育て、基礎体力を付けさせる。夏を越して秋になると狭い場所に閉じ込めて運動できないようにし、消化がよいように柔らかくなるまで蒸したトウモロコシを、漏斗(ガヴール)で強制的に胃に詰め込む強制給餌(ガヴァージュ)を1日に3回繰り返す。これを1ヶ月続けると、脂肪肝になった肝臓は2kgに達するほどに肥大し、頭部と胴体を水平にする姿勢しかとれなくなるに至る。この段階のガチョウをしめて肝臓を取り出し、余分な脂肪、血管、神経などを丁寧に除いてから、冷水に浸して身を締めたものがフォアグラである。
鴨の場合、ガチョウにはない素嚢(そのう)と呼ばれる食道にある袋のような器官に餌が多量に入っていると、消化の速度が上がるという特性を持っている。そのため、人の手によるガヴァージュを行う前に10日間ほど好きなだけ餌を食べさせるプレガヴァージュを行い、効率よくガヴァージュを進める。給餌は一日2回で、期間は3週間である。また、近年では機械化された飼育場ですりつぶしたトウモロコシを自動的に与え、2週間ほどでガヴァージュを終わらせる速成法もあるが、素嚢でトウモロコシが発酵してしまうため、フォアグラの質は劣る。
フォアグラを取り出した残りの部分は、肥育によって多量の脂肪が蓄積されている。産地ではこのことを利用して、ガチョウ自身の脂肪で残った肉を油煮にして保存食料のコンフィを作る。フランスの地方料理は多用する油脂の種類で特徴付けられ、例えばノルマンディーやブルターニュ地方はバター文化圏、イル・ド・フランス地方はラード文化圏であるが、フォアグラの主要な産地のひとつであるラングドック地方はガチョウ脂肪文化圏に属している。
産地
主な産地はフランス。世界のフォアグラの生産量は西暦2000年で約1万8000トンだが、そのうちフランス産は1万5300トンにも及んだ。フランス国内では、南西部のペリゴール地方(現ドルドーニュ県)とランド県が主産地で、ガチョウと鴨の両方のフォアグラが生産されている。南西部全体での生産量は、フランスの生産量の75%を占める。また、アルザス地方のストラスブールやラングドック地方のトゥールーズも、産地としてよく知られている。不足分は、オーストリアなどからの輸入品でまかなわれている。
ガチョウよりも鴨の方が飼育が楽で、病気にも強いことから、今日では鴨のフォアグラの生産量は増加傾向である。
ハンガリーのドナウ川西岸(ドゥナーントゥール、Dunántúl)でも昔からフォアグラの生産が行われており、輸出も盛んである。
世界の生産量
調理前のフォアグラ。
2004年のフォアグラ総生産量は23,670トンであった。
以下、2004年のデータ
フランスの旗 フランス : 18,000トン
ハンガリーの旗 ハンガリー : 2,600トン
ブルガリアの旗 ブルガリア : 2,000トン
イスラエルの旗 イスラエル : 500トン (2005年以降生産は禁止されている)
スペインの旗 スペイン : 500トン
その他 : 570トン
調理法
フォアグラのソテー。
パテに加工し甘めの柔らかいパンに塗って食べるか、ソテーして食べるのが一般的だが、トリュフ入りのパイ包み焼きのような、パイ料理の素材としてもよく使われる。フォアグラとトリュフを乗せて焼いたステーキは、ロッシーニ風トゥルヌドステーキと呼ばれる。フランスでは、伝統的にソーテルヌなど甘口のワインと合わせる。
フランス人の多くにとってはクリスマスや新年前夜の晩餐(レヴェヨン、réveillon)などでしか口にすることのない珍味であるが、近年になって生産量が増加したため珍しさは薄れてきている。中には一年中フォアグラを賞味する地域もある。
動物虐待論
上記のように、ガチョウ(鴨)に飼料を大量に無理矢理食べさせて脂肪肝を発症するまで肥大させることで製造することから、古くから不自然な食材としてこれを否定的にみる議論も見られた。例えば、昆虫学者のファーブルも、嫌って食べなかったことが伝えられている。
今日ではアニマルライツ(動物の権利)論の高まりなどもあり、PETAなどの動物愛護団体は動物虐待であるとして反発している。
各国の法規制の動き
欧州
欧州評議会の「農業目的で保持される動物の保護に関する欧州条約」加盟国35カ国では、フォアグラの生産は「すでに定着している場合を除き」、1999年に禁止された。
イタリア、オーストリアの6州、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、ルクセンブルクの各国では、「動物の強制給餌」自体が禁止されたことにより、フォアグラの生産は事実上、違法となった。(ただし、外国産フォアグラの販売は必ずしも禁止されていない)。また、アイルランド、イギリス、スウェーデン、オランダ、スイスでも、動物保護法の解釈上、フォアグラの生産は違法とされている。
2000年度の世界生産量18,000トンの内、15,300トンがフランスで生産され、現在はほぼフランス一国で生産している状況である。2005年10月、フランスの国民議会が農業政策に関する包括法の一部として、フォアグラは仏文化の遺産であるとした法案を全会一致で可決した。その際、フランスが世界でフォアグラの80%以上を生産していることを指摘し、保護すべき仏文化、料理の貴重な遺産であると宣言。カモやガチョウの強制肥育についても、他に方法はなく止むを得ないとして、擁護する姿勢を鮮明にした。
アメリカ合衆国
2004年9月29日、アメリカ・カリフォルニア州は、州内で「肝臓肥大を目的とした鳥類の強制給餌」と「強制給餌によって作られた製品の販売」を2012年以降禁止する法律を施行した。
また2006年4月には、イリノイ州シカゴに於いてのフォアグラの販売が、市議会の決議によって全面的に禁止された。しかしこの条例制定後、すぐに地元レストランのシェフらから猛反発を受け、訴訟にまで発展した。さらにデイリー市長も「シカゴ市を国中の物笑いの種にするようなもの」などとこき下ろし、撤廃を訴えていた。そして当時48対1の圧倒的多数で可決した同条例は、2008年5月、市議会で何の審議も行われず37対6で廃止が決まり、制定後わずか2年でお払い箱となった。
その他
アルゼンチンでは、フォアグラの生産は動物虐待に当たるとして、禁止されている。
イスラエルでは、2003年8月に最高裁が農林水産省に対しガチョウの強制給餌を禁止するよう指示し、2006年2月以降禁止された。
その他の動き
機内食からフォアグラを排除した主要航空会社の例としては以下が挙げられる。
スカンジナビア航空
KLMオランダ航空
エア・カナダ
デルタ航空
ユナイテッド航空
アメリカン航空
ニュージーランド航空
2007年3月、アカデミー賞公式シェフのウルフギャング・パックは、動物愛護の観点上、自身の経営するレストランチェーンやカフェに於いてフォアグラを使用した料理は提供しないことを宣言した。
2012/5/31