史上最大の研究結果がここに!
葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻)
動物タンパク神話の崩壊とチャイナ・プロジェクト
第1章 私たちの体は、病気になるように作られているわけではない 60p
食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか。
――ヒポクラテス(医学の父。紀元前四六〇~三五七年)
心臓発作の父を救えなかった悔しさ
太陽の光が金色に輝いていた一九四六年のある朝、夏の暑さはすっかり衰え、秋が近づいていた。
私の家の酪農場に漂っているのは、静寂だけだった。
あたりには車が走り抜ける騒音もなければ、頭上には飛行機雲もなかった。
ただただひっそりとしていた。
鳥がさえずり、牛や雄鶏たちが時折声をあげることはあったが、こうした自然の声は、静けさや平和を強調するだけだった。
納屋の大きな扉の隙間からは、太陽の光が差し込んでいた。
まだ12歳の少年だった私は、幸せそうな顔で納屋の二階に立っていた。
私はちょうど卵とベーコン、ソーセージ、フライドポテトとハム、そして二、三杯の全乳(未加工のミルク)といった、カントリースタイルたっぷりの朝食を終えたばかりだった。
母はすばらしい食事を作ってくれた。
私は父や弟のジャックと乳搾りをするために四時半から起きて働いていたので、お腹をすかせていた。
当時45歳だった父は、いつも静かな日の光を浴びて私のそばに立っていた。
父は50ポンド(約23キロ)のアルファルファの種の袋を開け、小さな種を全部、納屋の木の床にさっと落とした。
それから小さい黒い粉の入った箱を開けた。
その黒い粉はバクテリアで、「アルファルファの成長を助けるのだ」と父が説明してくれた。
このバクテリアはアルファルファに付着して、このままずっと成長し続けて根の一部になるのだという。
父は学校教育を二年しか受けていなかった。
しかし私は「バクテリアは、アルファルファが空気中の窒素をタンパク質に変えるのを助ける」ということを知っている父のことを誇りに思っていた。
最終的には牛の食事となるこのタンパク質だが、「牛の健康にいいのだ」と父は説明してくれた。
好奇心の塊だった私は、「それがなぜ、どんなふうに役に立つのか」父にいつも尋ねていた。
父は喜んで説明してくれ、私も喜んで聞いていた。
それが農家の少年にとっては貴重な財産となった。
それから一七年後の一九六三年、父は最初の心臓発作を起こした。
61歳だった。
そして70歳のときに起こした二度目の心臓発作で亡くなった。
私はすっかり落ち込んでしまった。
何年もの間、私たち兄弟のそばにいて、私の人生にとって多くの大切なことを教えてくれた父が、いなくなってしまったからだ。
その後、私は「食習慣と健康に関する研究生活」を何十年も続けてきたが、今では父を死に追いやった「心臓病」の予防法も知っているし、回復させる方法もわかっている。
命に関わるような手術をしなくても、また、副作用で死に至らしめるような薬を使わなくても、動脈や心臓の血管を健康にすることは可能だ。
つまり、『正しい食べ物』を食べるだけで、すべては改善可能であることを、私は学んできたのである。
本書は、「いかに食べ物は私たちの人生に影響を与えているか」ということについての物語である。
健康になれる人もいれば、健康になれない人もいるのはなぜか。
私は自分の人生を、その不思議な謎の解明のために費やしてきた。
そして今、私は、「健康になれるかなれないかを決定する大きな要素は食べ物である」ということを知っている。
この情報を伝えるのには、今が「最善の時」に違いない。
なぜなら、この国の医療制度はあまりにも費用がかかりすぎており、多くの人がそのサービスを享受できなくなっている。
しかもそれは、健康増進や病気予防の役に立っていない。
この問題については今まで多くの解決策が提案されてきたが、現実は遅々として進んでいない。
葬られた「第二のマクガバン報告」(中巻)
あらゆる生活習慣病を改善する「人間と食の原則」
葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻)
動物タンパク神話の崩壊とチャイナ・プロジェクト
第1章 私たちの体は、病気になるように作られているわけではない 60p
食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか。
――ヒポクラテス(医学の父。紀元前四六〇~三五七年)
心臓発作の父を救えなかった悔しさ
太陽の光が金色に輝いていた一九四六年のある朝、夏の暑さはすっかり衰え、秋が近づいていた。
私の家の酪農場に漂っているのは、静寂だけだった。
あたりには車が走り抜ける騒音もなければ、頭上には飛行機雲もなかった。
ただただひっそりとしていた。
鳥がさえずり、牛や雄鶏たちが時折声をあげることはあったが、こうした自然の声は、静けさや平和を強調するだけだった。
納屋の大きな扉の隙間からは、太陽の光が差し込んでいた。
まだ12歳の少年だった私は、幸せそうな顔で納屋の二階に立っていた。
私はちょうど卵とベーコン、ソーセージ、フライドポテトとハム、そして二、三杯の全乳(未加工のミルク)といった、カントリースタイルたっぷりの朝食を終えたばかりだった。
母はすばらしい食事を作ってくれた。
私は父や弟のジャックと乳搾りをするために四時半から起きて働いていたので、お腹をすかせていた。
当時45歳だった父は、いつも静かな日の光を浴びて私のそばに立っていた。
父は50ポンド(約23キロ)のアルファルファの種の袋を開け、小さな種を全部、納屋の木の床にさっと落とした。
それから小さい黒い粉の入った箱を開けた。
その黒い粉はバクテリアで、「アルファルファの成長を助けるのだ」と父が説明してくれた。
このバクテリアはアルファルファに付着して、このままずっと成長し続けて根の一部になるのだという。
父は学校教育を二年しか受けていなかった。
しかし私は「バクテリアは、アルファルファが空気中の窒素をタンパク質に変えるのを助ける」ということを知っている父のことを誇りに思っていた。
最終的には牛の食事となるこのタンパク質だが、「牛の健康にいいのだ」と父は説明してくれた。
好奇心の塊だった私は、「それがなぜ、どんなふうに役に立つのか」父にいつも尋ねていた。
父は喜んで説明してくれ、私も喜んで聞いていた。
それが農家の少年にとっては貴重な財産となった。
それから一七年後の一九六三年、父は最初の心臓発作を起こした。
61歳だった。
そして70歳のときに起こした二度目の心臓発作で亡くなった。
私はすっかり落ち込んでしまった。
何年もの間、私たち兄弟のそばにいて、私の人生にとって多くの大切なことを教えてくれた父が、いなくなってしまったからだ。
その後、私は「食習慣と健康に関する研究生活」を何十年も続けてきたが、今では父を死に追いやった「心臓病」の予防法も知っているし、回復させる方法もわかっている。
命に関わるような手術をしなくても、また、副作用で死に至らしめるような薬を使わなくても、動脈や心臓の血管を健康にすることは可能だ。
つまり、『正しい食べ物』を食べるだけで、すべては改善可能であることを、私は学んできたのである。
本書は、「いかに食べ物は私たちの人生に影響を与えているか」ということについての物語である。
健康になれる人もいれば、健康になれない人もいるのはなぜか。
私は自分の人生を、その不思議な謎の解明のために費やしてきた。
そして今、私は、「健康になれるかなれないかを決定する大きな要素は食べ物である」ということを知っている。
この情報を伝えるのには、今が「最善の時」に違いない。
なぜなら、この国の医療制度はあまりにも費用がかかりすぎており、多くの人がそのサービスを享受できなくなっている。
しかもそれは、健康増進や病気予防の役に立っていない。
この問題については今まで多くの解決策が提案されてきたが、現実は遅々として進んでいない。
葬られた「第二のマクガバン報告」(中巻)
あらゆる生活習慣病を改善する「人間と食の原則」