日々の寝言~Daily Nonsense~

潜水服は蝶の夢を見る

DVDを借りて見た。

脳梗塞で全身麻痺になったが、
視聴覚や意識は正常のまま、という男が、
まばたきだけを使って自伝を書く。

感動的な実話、なのだが、
主人公のシニカルな性格のせいか、
べたなヒューマンドラマにはなっていない。

主人公の目を通して見ているような映像が、
脳梗塞で麻痺になった人の感覚や気持ちを
よく伝えてくれている。

その点については印象的なのだが、
なんだろう、映画として、心に響くものが、
ちょっと少なかったかもしれない。

人間性、とは何か、
がひとつのテーマだと思う。

全身麻痺という現実にめげずに、
想像力と記憶力を羽ばたかせて、
自伝を書いてしまう、というのは、
まさに人間的な生き方だ。

それはいいんだけど・・・
なにか、ちょっと軽いのだ。

もうちょっと感動的な表現法が
あったような気がするのだが。

すごく重たいのは嫌いだけど、
もうちょっとくらいは重いと
自分の好みにはちょうどよかったかもしれない。

まあ、こういうテーマを扱っても、
ドライでお洒落なのは、良くも悪くも、
フランス映画ということか。

同じような状況を扱った作品で
見たことがあるものには、
海を飛ぶ夢(イタリア映画?)、
Talk to Her(これはどこだっけ?)
などがあるが、それぞれ
テーマや描き方が全く違っていておもしろい。

この映画に出てくる女性はみんな美しいのだが、
特に、聞き取り役の女性の美しさが印象的だった。

スカイ・クロラと同じく「永遠の繰り返し」
もひとつの主題になっているようだ。
それが孤独な魂が共通して見るものなのだろうか?

原題は「潜水服と蝶」。

関係ないが、今の情報処理技術を使えば、
まばたきを検出するタイプライターは作れると思う。
アルファベットの順番も、予測変換のように、
それまでの文字列に依存して並べ替えたほうが早い。
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