全く専門家ではないが、公害などの高度経済成長期初期の
いろいろな問題を見てきた者として、資本主義については
折々に考えてきた。
資本主義の本質の一つは市場経済、つまり、
市場がものの値段=富みの分配を決める、というシステムだ。
これに対する概念である、中央集権的経済と比べて、
はるかに自由度高く、分散処理的に公平感のある価格が決まる
ということが大きなメリット。
しかし、資本同志が戦う市場競争社会においては、
資本、すなわち、生産手段(およびその代理人である資本家)
労働者、すなわち生産手段を持たない人から搾取するようになる。
社会は「資本を持つ人(資本の代理人)」と
「資本を持たない人」に二極化する。
というのが資本論のひとつの主要命題だと思う。
資本に対抗した試みはほとんどすべて敗れて、
現状はマルクスの予言に近い状態になっているように見える。
今回の資本論ブームのきっかけは、ピケティという人が書いた
「21世紀の資本」で、
> ≪資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、
> 資本主義は自動的に、
> 恣意的で持続不可能な格差を生み出す≫
マルクス以来の命題を、さまざまなデータに基づいて
検証しているという。
ぜひ読んでみたいが時間がないなぁ・・・
個人的には、根本的な解決のためには、
市場経済のシステムを改良することが必要だと思う。
しかし、それを、たとえば人工知能で中央集権的にやるのでは、
マザーコンピューターの世界になってしまうし・・・
競争力と所得再分配をどうやって両立させるのか、
が問われている。
民主党は「分厚い中産階級の再現」みたいなことを言っているが、
日本がこれまでうまくやって、中産階級を維持できたのは、
戦後しばらく、中国が寝ていたという、
地政学的なメリットを享受した面が大きいので、
世界的な文脈が変わってしまった現在、
同じやり方はできない、ということだと思う。
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