日々の寝言~Daily Nonsense~

ピーター・ドラッカー「プロフェッショナルの条件」

「マネジメント」ではなくこちらから読んだ。

組織で働く知識労働者=専門家(プロフェッショナル)
が成果を上げるにはどうすればよいか?についての本

Part1: いま世界に何が起こっているか

まず、肉体労働が主の世界と知識労働が主の世界とが
どのように異なっているかが明確に述べられている。

肉体労働が主の世界では、
資本によって設備を整えることで
生産性を上げることができた。
そこで資本主義が発展した。

しかし、知識労働が主の世界では、
ものごとはそれほど単純ではない。
資本はもちろん必要だが、それだけでは十分ではない。
資本があれば必ず勝てるわけではない。

新しい組織での新しい働き方が必要とされている。

以下、組織で働く知識労働者が成果を上げるには
どうすればよいかが述べられる。

Part2: 成果をあげるにはどうしたらよいか

まず大原則が示される。

成果をあげるためには、
<貢献>に焦点を合わせなくてはならない

プロフェッショナル=専門家、は
その知識によって成果を生み出す知識労働者である

専門家はその定義から、ひとりでは成果を生み出せない
誰かにその能力=強みを使ってもらって始めて成果が生まれる

従って成果をあげるには「貢献」に焦点を当てることが必須となる

組織において持続的に貢献するには、
常に自分のリソースをマネジメントする
組織内外とよくコミュニケートする
新しい仕事にはそのつど新しいやり方で対処する
常に専門性=強みの向上をめざす
ことが必要になる。

Part3: 自らをマネジメントする

上手に貢献できるようにするために、
自らをマネジメントする必要性と方法が述べられる。

最初にドラッカー自身の経験から得られた七つの教訓
についてのエピソードが述べられている。

自分の強みを伸ばして、それを活かす方法に集中する
 できないことをできるようにするのは、
 できることをよりよくできるようにすることの何倍もの労力がかかる
 自分のリソース、特に時間を管理する
 正しいことに集中できているかどうか、定期的に検証、反省する

Part4: 意思決定のための基礎知識

知識労働者にとって意思決定は日常的に必要である。
そこで、適切に意思決定するための方法が述べられる。
ここは他のパートとは独立に読める。

その後、情報型組織について
コミュニケーション、リーダーシップなどについて述べられる。

Part4 の題目は、意思決定のための、というよりは
情報型組織についての基礎知識、という感じ。

Part5: 自己実現への挑戦

知識社会で求められる人間像が描かれる。

人間のほうが組織よりも長生きするようになった社会では
第二の人生の設計が重要である
それは自らの成長にもつながる

自らの専門知識を活かすためには、
他の専門知識について「理解」していなければならない

「何によって記憶されたいか?」
という問いを問い続けることが大切であり、
50歳くらいまでに答えられるようにならなければ
人生を無駄にしている

ひとつひとつを見ればあたりまえのことも多いが、
きっぱりと書いてあるところが説得力を感じさせる。

特に、正しい原則に沿わなければ絶対にうまくゆかない、
「奇跡」や「天才」に期待してはいけない、ということを
「きっぱり」書いてあるところがポイント。

網羅性を狙った抜粋版なだけに、
流れがわかりにくいところもあるが、
繰り返し読む価値はあると思うし、
読むと、少しはましな人間になれそうで、
元気が出る感じがする。

特に、自分の強みを活かして成果をあげることは
「天才」でなくても誰にでもできることだ、
うまく成果が出ていないとしたら、やり方が悪いだけだ、

と、確信を持った口調で
語りかけてくれるのに癒される^^;

こういう先生と出会いたかった。
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