派遣という雇用制度について少し考えてみた。
以前は、派遣(非正規)で一定期間働いたら、
正規雇用すべき、そう義務づけるべき、と考えていたが、
話はそう簡単ではないような気もする。
派遣の良い点:
子育てなどの理由で、
フルタイムで働けない人が
片手間に働きたい、というような場合には
便利な制度だと思う。
派遣の悪い点:
未来への展望が無い。
派遣会社は、派遣でスキルアップ、などと
謳っているが、多くの現場では、
派遣は正社員の下働き、
であることが多いと思う。
つまり、派遣がやっている仕事と
正社員がやっている仕事は違う。
したがって、派遣をいくらこなしても、
正社員的なスキルアップにはつながらない。
企業にとって、派遣は、
固定的人件費を抱え込まなくてよい、というのが
最大のメリットで、
デメリットは、人が育たない、ということだと思う。
だから、育たなくてもよい(使い捨てでOKな)職種を
派遣で補うことになるのは当然だ。
派遣で「まじめによく働く」ことを証明したとしても、
現場の人には雇用の権限は無いことが多いから、
正社員になろうとすれば、結局は中途採用に応募する
ことになり、そこでは派遣の実績はほとんど考慮されない。
(ここで派遣時の評価のようなものを考慮
するようにすればよいのかもしれないが・・・
現場での力関係が歪んで、よけいに奴隷化する
ほうが多いような気もする)
下働きから修行して、
一人前になって自分の店を持つ、というような
昔の職人修行のようなルートが全く無いわけではないと思う。
小規模の会社で、かつ、のれんわけが可能なような業種?
ソフトウェアハウスとか、レストランチェーンとか?
逆に言えば、正社員をめざすのではなくて、
自分で商売するために社会勉強する、
修行の過程としてはありなのかもしれないが・・・
だから、派遣→正社員というパスは、
本来の派遣の意義からして幻想に近い、
ということをもっと直視すべきなのではないか?
それなのに、一定期間派遣で働いたら
正規雇用の義務が生じる、
などとするから、
抜け道を探して話がこじれるような気がする。
もちろん、それができれば望ましいことだが、
それは、お試し期間の長い採用のようなもので、
そういうふうに制度を作ったほうがよいだろう。
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