いろいろなところで取り上げられている。
これまで特に疑問もなく、
軍の命令で自決させられた、と思っていたのだが、
ネット上の議論をあれこれ読んでみると、
どうもそう単純な話ではないらしい。
軍からの直接的な命令があったことの証拠は、
口頭にせよ書面にせよ、
信頼できるものは存在しないらしい。
逆に、自決した人の遺族が補償を受け取れるように、
命令を出したように偽った、という証言もあるようだ。
集団自決があったのは事実だし、
そこで軍の手榴弾が使われたのも事実のようだが、
それ以上の詳しいことを知ろうとすると、
事実を検証することの難しさを感じる。
たとえば、命令を出したとされる隊長が悪人なのか、
それとも、自ら汚名を着た英雄なのか、
両方なのか、はたまた、どちらでもないのか、
それすら簡単にはわからない。
証言があっても、嘘とはいわないまでも、
記憶には誤りが起こりえる。
特にこうしたものすごく悲惨なできごとについては、
直接の関係者の記憶が歪んでいる可能性は高いだろう。
だから、単独では信憑性が評価できないし、
たとえ集団であっても、偏っている場合がある。
さらに、証言が聞き書きの場合には、
聴き取って記録した人の主観で、
編集されている場合もあるだろう。
一次資料を出す場合は、録音やその書き起こしなど、
完全に生のデータもとっておくべきだろう。
そして、重要な点については、
できるだけいろいろな立場からの複数の証言を
つき合わせて検証する必要がある。
しかし、実際にそんなことをするのはとても手間がかかるし、
時間がたってしまうと困難だ。
(それをするのが「歴史学者」の仕事なのだろうが。)
さらに、こうした事件を、自らの政治的主張の
宣伝のために利用する人たちも多い。
こういう人たちは、都合のよい部分だけを
取り上げて書き立て、対立する人を攻撃する。
妄信のレベルになってしまっていることも多い。
確実なのは、
戦争ではとても悲惨なことがたくさん起こる、
ということだけか・・・
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