日々の寝言~Daily Nonsense~

沖縄戦集団自決-事実を検証することの難しさ

沖縄戦における集団自決(非戦闘民の玉砕)が、
いろいろなところで取り上げられている。

これまで特に疑問もなく、
軍の命令で自決させられた、と思っていたのだが、
ネット上の議論をあれこれ読んでみると、
どうもそう単純な話ではないらしい。

軍からの直接的な命令があったことの証拠は、
口頭にせよ書面にせよ、
信頼できるものは存在しないらしい。

逆に、自決した人の遺族が補償を受け取れるように、
命令を出したように偽った、という証言もあるようだ。

集団自決があったのは事実だし、
そこで軍の手榴弾が使われたのも事実のようだが、
それ以上の詳しいことを知ろうとすると、
事実を検証することの難しさを感じる。

たとえば、命令を出したとされる隊長が悪人なのか、
それとも、自ら汚名を着た英雄なのか、
両方なのか、はたまた、どちらでもないのか、
それすら簡単にはわからない。

証言があっても、嘘とはいわないまでも、
記憶には誤りが起こりえる。
特にこうしたものすごく悲惨なできごとについては、
直接の関係者の記憶が歪んでいる可能性は高いだろう。

だから、単独では信憑性が評価できないし、
たとえ集団であっても、偏っている場合がある。

さらに、証言が聞き書きの場合には、
聴き取って記録した人の主観で、
編集されている場合もあるだろう。

一次資料を出す場合は、録音やその書き起こしなど、
完全に生のデータもとっておくべきだろう。

そして、重要な点については、
できるだけいろいろな立場からの複数の証言を
つき合わせて検証する必要がある。

しかし、実際にそんなことをするのはとても手間がかかるし、
時間がたってしまうと困難だ。
(それをするのが「歴史学者」の仕事なのだろうが。)

さらに、こうした事件を、自らの政治的主張の
宣伝のために利用する人たちも多い。
こういう人たちは、都合のよい部分だけを
取り上げて書き立て、対立する人を攻撃する。
妄信のレベルになってしまっていることも多い。

確実なのは、
戦争ではとても悲惨なことがたくさん起こる、
ということだけか・・・
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「雑感」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事