五所川原市で、帆立貝の殻に
穴をあけてひもに通す仕事をしている人の
写真が載っていた。
この人が1時間働いて生み出す富と、
トヨタの工場の契約社員が
1時間働いて生み出す富とは
いったいどのくらい違うのだろうか?
工場という巨大な資本を投じた設備を
使って仕事ができるということは、
その人の生産性を大幅に上げるはずだ。
(それなのに、トヨタの契約社員の
給料がそれほど高くはないのは不思議だ)
傾きかけた旅館でも、
立地や自然条件さえよければ、
お金をかけて改装すれば立ち直る。
倒産しかけた会社でも、
ビジネスモデルが大丈夫なら、
お金をかけて設備を新しくして、
少ない人員で再スタートすれば立ち直る。
資本が注入され、設備・環境が整うことで、
生産性が向上するからだ。
個人の努力や学習で生産性が上がる部分はあるだろうが、
それよりも、設備・環境の整備で上がる分のほうが
ずっと大きいだろう。
その意味で、資本は生産性だ。
資本は自らを生産性に変えることで、
増殖してゆく。
そして、今起きていることは、
日本国内で資本の恩恵を受けられる人、
すなわち、生産性の高い環境で働ける人が
どんどん減っている、ということなのだろう。
その代わりに、
インドや中国、バングラディシュなどの人々
にとって、そういうチャンスが増えたのだったが、
いまや、それらの国でも、
資本は大幅に収縮してしまった。
マルクスの言ったとおり?
失業というのは、
自分の生産性を高める環境を
奪われることなのだ。
生産性を高める環境を奪われ、
スキルを向上させる環境も奪われる。
「自己責任」「努力が足りない」
とは、誰にも言えないはずだ。
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