日々の寝言~Daily Nonsense~

"koko" と「3びきのくま」と「ゴルディロックス・ゾーン」

koko


その後も坂本さんの曲をいろいろ聴いていたら、
この曲も弾きたいな、と思った。

もともとは、日本郵政の CM 曲で
2008年に commons レーベルから
シングルとしてリリースされたものだが、
大貫妙子さんとのアルバム "UTAU" の中に
収録されているものを聴いた。

"UTAU" では、
大貫さんの歌つきのバージョンも
「3びきのくま」というタイトルで
収録されているのだが、
「3びきのくま」というタイトルと
「果てない宇宙に星が生まれる」と始まる
宇宙的な歌詞の関係がずっと謎だったので
ChatGPT に質問したら、

> 坂本龍一さんの「3びきのくま」は、もともと1980年代の
>「おかあさんといっしょ」で使用された子ども向けの楽曲で、
> 歌詞は谷川俊太郎さんによるものです。

ということで、妙に納得できるようなことを
言うのだが、これは真っ赤な嘘だ。

この曲の歌詞を "UTAU" のために
書きおろしたのは大貫妙子さん。

ChatGPT にそのことを指摘して、
この詩のタイトルと内容の関係について
書かれた文章を検索してもらったら、
2つ出てきた。

1つめは、こちらのブログ
2つ目は、こちらのブログ
どちらも、2022年の記事らしいが、
坂本さんの Facebook に掲載された(らしい)
大貫さんの言葉が引用されている。
素晴らしい!!

「3びきのくま」という童話に
基づいているそうなので、
その童話について調べてみると、
Wikipedia に記載があった。

もともとはイギリスのお話らしい。

しかし、
> 日本ではレフ・トルストイによる
> 翻案がよく知られている。

うーむ・・・

もしかして、
子供に読んだことがあったかも?

上のブログで引用されている
大貫さんの言葉によると、
"koko" は「此処」あるいは「心」
から来ているそうだ。

そこから、どういう思考過程かは
わからないが、宇宙の中の奇跡に
思いを巡らせて、さらにそれを、
「ゴルディロックス・ゾーン」を介して、
ゴルディロックス(金髪)という名前の
少女が主人公の「3びきのくま」
につなげる大貫さんの想像力は、
坂本さんも驚いたそうだが、
なんと素敵なことだろう。

自分でも検索すると、
他にもいろいろな情報が出てきて、
たとえば、CINRA というメディアの
大貫さんのインタビュー
もとてもおもしろかった。

ということで、ますます
弾きたい気持ちが強まった。
まず楽譜を探さないと。

念のために、1つめのブログに
引用されている、坂本さんと
大貫さんの言葉を
転載させていただく。

「3びきのくま」について
この曲のもとになったのは、08年にぼくがシングルとして発表した「KOKO」というインストゥルメンタル曲です。その曲に、今回、大貫さんが歌詞をつけて「歌」にしてくれました。そういう意味でも、この『UTAU』というアルバムを象徴する曲のひとつかもしれません。ぼく自身も、ぼくの「KOKO」というインスト作品に「3びきのくま」という詞がついて、言葉の世界が曲に展開されたときはすごく驚きました。大貫さんがぼくのインスト曲からこのようなインスピレーションを受け取っていたのかと初めてわかった。人によって音楽に対して受け取るインスピレーションがちがうのだなということが、あらためてわかったんです。ぼくがまったく想像しえなかった言葉〜詞の世界が拡がっていて、驚きながらレコーディングしました。(坂本龍一)

これは09年に日本郵政の年賀状のCMで使われた坂本さんのインスト曲がもとになっています。そのときのタイトルは「KOKO」。「此処」と「心」といろいろ意味のあるタイトルだそうです。その曲に、今回、私が歌詞をつけて歌わせていただいています。あるメロディに歌詞をつけるということは、100の可能性のひとつを選択することです。100パターンの歌詞が書けるかもしれないのに、ひとつだけ選んで99のパターンを捨ててしまう。もちろん実際には100のパターンを考えはしませんが、それでもどういう歌詞を乗せるべきかということは常に考えます。そのために曲は何度も聴きます。何度も何度も聴いているうちにそのメロディが呼んでいる言葉や、いまの時代、聴いてくださる方の気持ちといったものがひとつの方向となって指し示されて歌詞ができていく。原曲の「KOKO」につけた歌詞は「3びきのくま」というタイトルです。

ちょっと変わったタイトルですが、「3びきのくま」というのはゴルディロックスという女の子が出てくるイギリスの童話です。ある家にくまが3びき住んでいて、ゴルディロックスちゃんはお散歩しているうちにその家に辿り着く。そしてテーブルの上にスープのお皿が3つあるのを見つけます。最初の皿のスープは熱すぎて飲めない、次の皿は冷めてて飲めない、しかし最後の皿のスープは適温だったので飲んでしまう。この調子で、3つの椅子のうち、高すぎる、低すぎる、調度いいという具合に。そこから転じて「ちょうどいい場所」というたとえに「ゴルディロックス・ゾーン」という言葉が使われるようになりました。この宇宙で(人類にとって)熱すぎず、寒すぎず、最適なゾーンをたとえるときに使われる言葉にもなっています。ということで、この「3びきのくま」のテーマは宇宙なんです。ちょうど「はやぶさ」が宇宙をさまよった末に無事に地球に帰還した頃で、私も非常に感動してそのニュースを見ていました。「あきらめない気持ち」「どんなにはなれていても届く気持ち」「失ってわかるものの大切さ」などを歌にしてみたいという気持ちがあって書いた歌詞でもあります。(大貫妙子)

ところで、上の動画の演奏と、
UTAU に収録されている以下の演奏とで、
キーが違っていることに気づいた。

UTAU のほうは、大貫さんの歌の
キーに合わせているようだ。
アレンジもかなり異なる。

koko(Instrumental)
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