Sir András Schiff Piano Masterclass at the RCM: Martin James Bartlett
2024-05-25 12:04:34
YouTube のお薦めから。
このところ、
今年の発表会の課題曲である
シューベルトの即興曲 op.90 no.3 の
いろいろな演奏を聴いているせいか、
アンドラーシュ・シフによる
マスタークラスの動画が
お薦めされてきた。
生徒は Martin James Bartlett
という英国の若手(8年前)
ピアニスト。
シフのマスタークラスの
動画はたくさんあるのだが、
この動画では、
シューベルトの即興曲の中から、
op.90 の no.2 と no.3 が
取り上げられている。
声部、調性、和声の意識と、
それにもとづく、音色や音強の
コントロールなどの
音楽的な指摘が参考になるのは
もちろんだが、それ以外の
シフの皮肉が効いた
ヨーロッパ人的なコメントが楽しい。
no.2 の細かい動きを
メカニカルで等質に弾く生徒に対して、
「チェルニーになっている」
と言ったり、
過剰に身体を揺らして演奏する生徒に対して
「あなたを見ていると、少し船酔いしてくる。
音楽は動く必要があるが、あなたは動く必要はない」
とか「蛇のような動きがまた出た」と言って、
笑いを取っている。
no.2 のほうに時間をとって、
no.3 については少しだったが、
・メロディー、中声部、ベースの3つの
それぞれのソノリティの違い意識する練習
・左手を弾きながら右手のメロディーを歌う
=メロディーを歌う歌手の息継ぎや、
人の声のレガートを意識する
・メロディと伴奏(中声部+ベース)
を生徒と先生で分けて演奏する練習
・過剰にポルタメントして
テンポを揺らす生徒に対して、
「メロディは自由に演奏してもよいが、
右手の中声部の小川の流れは
流れ続けなければならず、
自然に反して堰き止めてはいけない」
「感情は豊かに、でも、
センチメンタルにはなんずに。
それは「安っぽく」聴こえる」
「スピードを変えるのではなく、
照明や色を変える」
・コーダの最後などの
エンハーモニック転調を
しっかり意識して色づける。
などはレベルは違えど
参考になりそうだ。
今度、連弾で弾くのを
先生にお願いしてみようか?
それにしても、NG と
ブラボーの音の違いは
ほんとうにわずかだ・・・
神はいつでも、
細部に宿る。
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