日々の寝言~Daily Nonsense~

Sir András Schiff Piano Masterclass at the RCM: Martin James Bartlett

Sir András Schiff Piano Masterclass at the RCM: Martin James Bartlett


YouTube のお薦めから。

このところ、
今年の発表会の課題曲である
シューベルトの即興曲 op.90 no.3 の
いろいろな演奏を聴いているせいか、
アンドラーシュ・シフによる
マスタークラスの動画が
お薦めされてきた。

生徒は Martin James Bartlett
という英国の若手(8年前)
ピアニスト。

シフのマスタークラスの
動画はたくさんあるのだが、
この動画では、
シューベルトの即興曲の中から、
op.90 の no.2 と no.3 が
取り上げられている。

声部、調性、和声の意識と、
それにもとづく、音色や音強の
コントロールなどの
音楽的な指摘が参考になるのは
もちろんだが、それ以外の
シフの皮肉が効いた
ヨーロッパ人的なコメントが楽しい。

no.2 の細かい動きを
メカニカルで等質に弾く生徒に対して、
「チェルニーになっている」
と言ったり、

過剰に身体を揺らして演奏する生徒に対して
「あなたを見ていると、少し船酔いしてくる。
 音楽は動く必要があるが、あなたは動く必要はない」
とか「蛇のような動きがまた出た」と言って、
笑いを取っている。

no.2 のほうに時間をとって、
no.3 については少しだったが、

・メロディー、中声部、ベースの3つの
 それぞれのソノリティの違い意識する練習
・左手を弾きながら右手のメロディーを歌う
 =メロディーを歌う歌手の息継ぎや、
  人の声のレガートを意識する
・メロディと伴奏(中声部+ベース)
 を生徒と先生で分けて演奏する練習
・過剰にポルタメントして
 テンポを揺らす生徒に対して、
 「メロディは自由に演奏してもよいが、
 右手の中声部の小川の流れは
 流れ続けなければならず、
 自然に反して堰き止めてはいけない」
 「感情は豊かに、でも、
 センチメンタルにはなんずに。
 それは「安っぽく」聴こえる」
 「スピードを変えるのではなく、
 照明や色を変える」
・コーダの最後などの
 エンハーモニック転調を
 しっかり意識して色づける。

などはレベルは違えど
参考になりそうだ。

今度、連弾で弾くのを
先生にお願いしてみようか?

それにしても、NG と
ブラボーの音の違いは
ほんとうにわずかだ・・・

神はいつでも、
細部に宿る。
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