第1回は地震から5日間の
事態の推移と対応の検証。
十分ではないにせよ、
取材や関係者の証言も豊富で、
さすがNHKだ。
事前の想定の甘さとは別に、事故後に
すごくたくさんの失敗、意思決定のミスが
積み重なったことがよくわかる。
まず、初動において、密室でごく少数の人間だけで
対応策を講じようとしたことが挙げられる。
最初に電源車を調達していたとき、
電源を入れても冷却系が動かない可能性を考慮して、
バックアッププランを立てていなかったのが
致命的になったと思う。
この間に並行して、もっと多くの人を投入して
最悪の事態であるベント+注水の可能性まで考慮して
住民避難の方法や弁の開放方法などを検討していれば、
ベント+注水の成功はもっと早まり、
メルトダウンは防げたかもしれない。
(もちろん結果論だが・・・)
後から考えれば、
非常用も含めて全電源喪失した時点(3/11 16:00頃)で、
即座に緊急事態宣言を出して、まだ明るいうちに
半径 3km あるいは 10km の住民は避難させるべきだった。
しかし、東電の通報から緊急事態宣言まで2時間
さらに避難命令を出すまでに2時間以上。
半径 3km に避難命令が出たのは21時過ぎ、
半径 10km に拡大したのは翌朝の5時だ。
手動での弁開放に手間どったり、
周辺住民の避難状況確認や風向きを考慮したりしていて、
やっとベントに成功したのは午後2時過ぎだったが、
時既に遅く、午後3時過ぎには1号機の
水素爆発が起こった。
この時点では既に燃料はメルトダウンしていた。
* * *
全体を通しての最大のミスは、
原発の事故対応に追われて、
住民への避難指示や情報提供のほうが
疎かになったことだと思う。
事故の拡大を防ぐことと、
住民の安全を守ることとは、
事故当初から並行して検討されるべきだったが、
特に後者が十分に行われなかった感じがする。
政府が爆発を発表して
避難範囲を20キロに拡大したのは、
1号機の水素爆発から数時間経った後だ。
それ以前にも、確信度は低いながら
放射性物質の拡散予測が得られていたのに、
避難方向を決めるためのそうした情報は
全く提供されなかった。
* * *
番組の中で証言した人のうち、
いちばん呆れたのは、
やはり斑目春樹原子量k安全委員長。
事故の最初から責任ある立場に居ながら、
まったく他人事のような発言ばかり。
この人の精神構造が理解できない・・・
自分はあくまでも「助言」する立場、
ということなのだろうか???
「これは、はっきり『人災』です」
その人災を引き起こした人の中には、
あなたも入っているんですが・・・
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