ノイズキャンセリングヘッドフォンについて
少し調べていたら、K's電器のWeb店舗に
SONYのフラッグシップモデル MDR-NC500D が、
19,500円で出ていて、思わず衝動買い。
「限定30個」「発送まで1週間ほど」とあったのだが、
何の問題もなく翌日にすぐ届いた。
本当に限定なのかどうか怪しい限り。
今日みたら、19,480円になってるし・・・
なぜかeデジと競っているようだ。
定価は49,350円だから、
単純に計算すると60%オフだ。
もちろん理由はあって、
後継機種の MDR-NC600D が発売されたので、
型落ちの在庫を安く放出しているのだろう。
しかし、500Dと600Dは、
実質的性能にはほとんど違いがないようなので、
値引きに弱い私には、我慢できなかった・・・
やれやれ・・・
これでは今月もいきなり緊縮財政だ。
* * *
せっかくなので、これまで使ってきた
BOSE の QuietComfort2 と比較してみた。
BOSEのQC2 は4年くらい使ったが、
イヤーパッドとヘッドパッドの
合成皮革部分がぽろぽろとはげてきたので困っていた。
イヤーパッドは交換できるが、
イヤーパッドだけで5000円近くするし、
ヘッドパッドは交換できない・・・
みんなどうしているのだろう?
いっそ、はがれるものを全部はがして
布面を露出させて使おうかとも思っていたのだが、
上に書いたような事情で NC500D を買ってしまった次第。
というわけで、比較を始める。
* * *
1)基本仕様
NC500D
型式 密閉ダイナミック型
ドライバーユニット 口径40mm(CCAWボイスコイル採用)
最大入力 100mW
インピーダンス 40Ω
感度 102dB/mW
再生周波数帯域 5-24,000Hz
総騒音抑制量 *1 約20dB *2
雑音抑圧量 -
コード 約0.5m OFCリッツ線(付属)
約1.5m OFCリッツ線(付属)
約1.5m 電池ケース付コード
入力プラグ 約0.5mコード:金メッキステレオミニプラグ
約1.5mコード:金メッキL型ステレオミニプラグ
電源 内蔵リチウムイオン充電池/単3形乾電池×2/付属ACパワーアダプター
電池持続時間 約15時間(内蔵リチウムイオン充電池使用時)
約10時間(アルカリ乾電池使用時)
質量 約195g
定価 49,350円
QC2
型式 密閉アクティブ型(ノイズキャンセリング機能付)
ドライバーユニット Φ35mm
感度 100dB/Vrms(Lo)、115dB/Vrms(Hi)
入力インピーダンス 72Ω(Lo)、910Ω(Hi)※切換え式
イヤーカップ可動範囲 ±20°(垂直)、+25°/-5°(水平)、-90°(収納時)
ヘッドバンド調節幅 最大35mm(左右)
入力プラグ Φ3.5mmステレオミニプラグ
ケーブルの長さ 178cm(脱着可能)
外形寸法 160(W)×195(H)mm
質量 170g(ケーブル、乾電池除く) 電池は約10g
カラー シルバー
電源 単4電池×1本
電池寿命 約38時間(単4アルカリ電池使用の場合。
ただし使用状況により異なります。)
定価 41,790円
ドライバユニットの口径は NC500D のほうが大きい。
重さはQC2 のほうが少し軽い。
気になるのは、NC500Dは充電式で、
フル充電でも15時間しかもたないこと。
長いフライトでほとんど装着しっぱなしにする
ことを考えるとやや不安ではある。
買った当初はよくても、
充電池がヘタってくることが予想されるし・・・
いちおう、予備の乾電池ケースなどもついているが
荷物はできるだけ減らしたいし、コードが増えると
使い勝手もあまり良くはなさそうだ。
ビジネスクラスならコンセントがあるから
いいのかもしれないが、
そもそもビジネスクラスだと、デフォルトで
NCつきのヘッドフォンが提供されたりする。
NC500Dの最大の特徴は、
世界初のデジタル処理によるノイズキャンセリングで、
DSPを使っているのために消費電力が大きくなって
しまったのだろうことは想像できるが、
その一方では、SONY は単4一本で100時間
という製品も作っているのだから、
もうちょっとなんとかなったのでは?
なんでこういう中途半端な仕様にするかなぁ・・・
2)外観
NC500D のほうがつくりに高級感はある。
特に気に入ったのは、淡いブルーの電源LED。
白色と青を組み合わせているのだろうか?
しかし、艶々の黒とキラキラのメッキパーツというのは、
年寄りが日常的に使うにはちょっと恥ずかしい。
非日常である飛行機の中でしか使えないような・・・
もちろん、BOSE のほうも
シャンパンゴールドの色で、
それなりには高級感はある。
装着しているときの様子は、
NC500Dのほうが頭にぴったりして良い感じ。
QC2のほうはイヤーピースの付け根が
頭から離れるのがちょっと気になっていた。
3)装着感
ほとんど違いはない。
耳たぶ部分の深さは QC2 のほうが深いが、
私の場合にはどちらでも当たらない。
重さの差もほとんど感じられない。
NC500D のほうが少ししめつけがきつく感じるが、
これは経年変化のせいもあるかもしれない。
4)ノイズキャンセリング
うるさい環境で比較していないのでよくわからないが、
それでも、NC500D のほうがよく効く印象。
NC500D
NC ON時に、すっと音が消える。しかし、
完全無音時のボツボツという
雨が降るような小さな雑音が気になる。
QC2
NC ON 時の差はNC500D よりは小さい。
完全無音時の雑音ほほとんど感じられない。
NC500Dの無音時の雑音については価格comの
口コミなどにも書かれている。
無音にするという目的のためには適さないと言える。
音楽を聴いているときは気にならないが、
ピアニッシモの多い曲だと気になるかもしれない。
しかし、DSPでソフト的に処理しているはずなのに、
なんでこういうことになるのだろう?
信号が一定のレベル以下の場合にNC処理をオフにする、
などはできなかったのだろうか?
5)音質
ポピュラー、ジャズ、クラッシックと
いくつかの普段聴いている曲で較べてみた。
これもあちこちに書かれているとおりで、
全体として音つくりの方向性がかなり違う。
NC500Dは伸びのある素直な音色で、
フラットな感じが強い。残響感も適度にある。
ソロのピアノやオーケストラだと
ホールで聴いている感覚に近い。
作られた素直さという感じもあるが、
情報量はとても多く、
とても文句はつけられない。
いくつかの曲で伴奏が響きすぎて、
ボーカルがやや埋もれがちなのは少し気になった。
QC2のほうは、低域と高域が強調されていて、
ヘッドフォンでよくある感じの音を
そのまま高級化したという感じ。
ピアノでは高音域が少しきつく響く。
弦楽器も音が硬く、少し安っぽい。
オーケストラでもトゥッティが少し汚くなってしまう。
どちらが原音に近いのかは正直よくわからないが、
全体的に NC500D のほうが、帯域が広く、
品が良く、音が絶対に暴れない。
しかし、その分、音が遠くなる感じもあって、
小さめの音量で聴くときには QC2のほうが
使いやすいかもしれない。
個人的には NC500D の音が好きだが、
どちらも高いレベルでの差ではあるし、
方向性の違いなので、評価は、
好みやよく聴くソースにもよるだろう。
6)その他
NC500Dのキャリングケースは
大きすぎて使えない。
機内持ち込みが絶対条件なのに、
なんでこういうものを作るかなぁ・・・
これをデザインした人は、
自分ではどう使おうと思ったのだろう?
NC600Dでは改善されているので、
是非ケースだけ売って欲しい。
というか、それは義務だと思うけど・・・
QC2のケースに押し込むと入るのだが、
耳をカバーする部分の深さの違いを反映して、
QC2のケースのほうが凸部が大きいので、
NC500Dを無理に押し込むと、
イヤーパッド内部の部品が変形しないか心配。
同じ入力のときの音の大きさは、
QC2 のほうが2割から3割くらい大きい。
NC500D は使えるプレイヤーを選ぶかもしれない。
7)まとめ
いくつか問題点はあるものの、
NC500Dは、さすがに音が良いと思う。
これから使い込んで行くのが楽しみ。
実際にフライトで使ってみてどうか、
またいずれ報告したい。
それにしても、NC500D の発売から1年強の新モデルで、
パッケージングしか変えられないとは、
今のSONYの状態を象徴しているような・・・
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