「物語というのは、そういう『精神的な囲い込み』に
対抗するものでなくてはいけない。
目に見えることじゃないから難しいけど、
いい物語は人の心を深く広くする。
深く広い心というのは狭いところには
入りたがらないものなんです」
人の心にとって「自由」は労力が大きく、辛い状況なので、
何らかの準拠する枠組みを求めるのは自然なことだ
(完全な自由がもしあったら、おそらく何もできない)
しかし、そこで、依拠する相手を間違うと、
単純で、小さく、狭い物語に閉じ込められてしまう
相互に強く依存して、狭いところで
お互いに傷つけあうことになる
村上さんの上の言葉には、
そういう悪い物語に良い物語りで対抗する、
という物語作りの志が語られている
物語の危険な側面については、
ずっと意識的であるようにしてきていたが、
それでも、人間に物語は必要なのだとすれば、
確かに、良い物語=深くて広い物語を作り続けるしかない
ここでもまた、悪貨が良貨を駆逐する、
は正しいのだろう
だからこそ、駆逐されてしまわないように、
良い物語を作り続ける強い意志が必要なのだ
もちろん、そう語る村上春樹さんの物語といえども、
物語の危険性から全く無縁というわけではないのだけれども
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